1. 企業情報
大王製紙株式会社は、紙製品の製造・販売を行う企業で、国内外で事業を展開しています。主な事業は「紙・板紙事業」と「ホーム&パーソナルケア事業」の2つのセグメントに分かれています。具体的には、新聞用紙、印刷用紙、包装用紙、家庭用紙（トイレットペーパー、ティッシュペーパー、紙おむつなど）を製造・販売しています。また、機能性材料や合成樹脂材料の製造も行っています。1943年に設立され、東京に本社を置いています。
2. 業界のポジションと市場シェア
大王製紙は、業界内で4位に位置し、特に家庭用紙市場では「エリエール」というブランドで首位を占めています。新聞用紙や板紙においても強みを持ち、海外市場の強化を進めています。競争優位性としては、広範な製品ラインとブランド力がありますが、国内需要の減少や原材料価格の上昇が課題です。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は「営業キャッシュ・フロー創出力強化」「将来成長のための厳選した投資の実行」「財務基盤の強化」を掲げています。中期経営計画（2024年度～2026年度）では、持続可能な成長を目指し、特にホーム&パーソナルケア事業の強化に注力しています。
4. 事業モデルの持続可能性
大王製紙の収益モデルは、紙製品の安定した需要に支えられていますが、デジタル化の進展により紙の需要が減少するリスクがあります。市場ニーズの変化に対しては、機能性材料や環境配慮型製品の開発を進めることで適応力を高めています。
5. 技術革新と主力製品
技術革新においては、セルロースナノファイバーや機能性フィルムなどの新製品開発が進んでいます。主力製品である家庭用紙は、安定した収益源となっており、特に紙おむつやティッシュペーパーは市場での競争力を持っています。
6. 株価の評価
現在の株価は852.0円で、PBRは0.57倍と業界平均の0.5倍に近い水準です。EPSは予想値が0.00で、業績回復が期待されます。業界平均PERは9.5倍であり、PERの情報がないため、今後の業績改善に期待が寄せられています。
7. テクニカル分析
直近の株価推移では、株価は852円で高値圏に位置しています。過去10日間の株価は上昇トレンドを示しており、特に1月17日には852円の高値を記録しました。
8. 財務諸表分析
過去12か月の売上高は671,688百万円で、前年同期比で増加していますが、営業利益は14,368百万円と低調です。ROEは1.87%と低く、自己資本比率は26.3%で財務的な安全性に課題があります。キャッシュフローは安定していますが、利益率が低下しているため、改善が求められます。
9. 株主還元と配当方針
配当利回りは1.88%で、年間配当は16円を予想しています。配当性向は高く、株主還元策として自社株買いも行っていますが、財務状況を考慮すると慎重な姿勢が求められます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は上昇傾向にあり、投資家の関心が高まっています。原材料価格の変動や国内需要の影響が株価に影響を与える要因として挙げられます。
11. 総評
大王製紙は、家庭用紙市場での強みを活かしつつ、海外市場の拡大を目指しています。経営戦略としては、持続可能な成長を重視しており、技術革新や新製品開発に注力しています。しかし、財務指標には課題があり、利益率の改善が求められます。株価は高値圏にあり、今後の業績回復に期待が寄せられています。
企業情報
| 銘柄コード | 3880 |
| 企業名 | 大王製紙 |
| URL | http://www.daio-paper.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 素材・化学 – パルプ・紙 |
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