1. 企業情報
大東港運株式会社は、東京港を拠点とする港湾運送事業を中核とする企業です。輸出入貨物取扱、鉄鋼物流、その他事業を展開しており、特に畜産物や冷凍食品などの輸入貨物の取扱比率が高いことが特徴です。 従業員数は405名、平均年齢は40.7歳です。
2. 業界のポジションと市場シェア
大東港運は東京港における港湾運送事業の中堅企業です。具体的な市場シェアの情報は公開されていませんが、多くの競合他社が存在する競争の激しい業界に属しています。競争優位性としては、特定の貨物（畜産物、冷凍食品、鋼材など）への特化と、長年の取引関係による顧客基盤が挙げられます。課題としては、業界全体の価格競争の激化や、燃料価格の高騰などが挙げられます。
3. 経営戦略と重点分野
決算短信によると、中期経営計画「Be Sustainable」〜サスティナブルを目指して〜を推進中です。具体的な施策については公開情報からは詳細が不明ですが、持続可能な事業運営を重視していると考えられます。
4. 事業モデルの持続可能性
大東港運の収益モデルは、輸出入貨物や鉄鋼製品の輸送・荷役業務からの手数料収入です。市場ニーズの変化への適応力については、特定の貨物への依存度が高い点がリスクとなります。今後、新たな貨物分野への進出や、付加価値の高いサービス提供による事業ポートフォリオの多様化が重要となるでしょう。
5. 技術革新と主力製品
公開情報からは、具体的な技術革新や独自性の高い技術に関する記述は見当たりません。主力製品・サービスは、輸出入貨物取扱事業と鉄鋼物流事業です。
6. 株価の評価
- PER（会社予想）: 10.92倍
- PBR（実績）: 0.69倍
- EPS（会社予想）: 67.29円
- BPS（実績）: 1,062.32円
現在の株価735円を基に評価すると、PERは業界平均（11.8倍）を下回っており、割安感がある可能性があります。PBRは業界平均（0.5倍）を上回っており、やや割高感がある可能性があります。ただし、これらの指標だけで株価を判断することはできません。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は733円〜758円の範囲で推移しており、年初来高値849円からは下落しています。200日移動平均線（739.86円）を下回っており、弱気相場にある可能性があります。
8. 財務諸表分析
過去数年の損益計算書をみると、売上高は変動しており、2021年3月期は222億円を超えていましたが、2024年3月期は161億円に減少しています。純利益も同様に減少傾向にあります。ROEは過去数年で6%前後で推移しており、安定しているとは言えません。自己資本比率は60%前後と高い水準を維持しています。
9. 株主還元と配当方針
予想年間配当は24円、配当利回りは3.27%です。配当性向は33.82%と比較的低い水準です。自己株買いに関する情報は公開情報からは確認できません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は下落傾向にあり、出来高も少ないことから、投資家関心の低さが伺えます。中国経済の減速や地政学的リスクなどが株価に影響を与えている可能性があります。
11. 総評
大東港運は、東京港を拠点とする港湾運送事業の中堅企業です。特定の貨物への依存度が高い点がリスクであり、今後の事業ポートフォリオの多様化が重要です。財務状況は安定しているものの、売上高や純利益は減少傾向にあります。現在の株価は、PERから見ると割安感がある可能性がありますが、PBRは割高感がある可能性があり、今後の業績動向や市場環境を注視する必要があります。投資判断にあたっては、最新の情報を十分に確認し、ご自身の責任で行ってください。
企業情報
| 銘柄コード | 9367 |
| 企業名 | 大東港運 |
| URL | http://www.daito-koun.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 運輸・物流 – 倉庫・運輸関連業 |
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