1. 企業情報
稲葉製作所（Inaba Seisakusho Co., Ltd.）は、オフィス家具および屋外収納小屋の設計、製造、販売、サポートを行う企業です。主に鋼製物置とオフィス家具の2つのセグメントで事業を展開しており、鋼製物置では国内シェアが約40%を占めています。オフィス家具では自社ブランドの他、OEMとして内田洋行などへの供給も行っています。1940年に設立され、東京都大田区に本社を置いています。
2. 業界のポジションと市場シェア
稲葉製作所は、鋼製物置市場において最大手であり、国内シェアは約40%を誇ります。オフィス家具市場でも成長を見せており、自社ブランドとOEMの両方で展開しています。しかし、競争が激化しているため、価格競争や新製品の開発が課題となっています。
3. 経営戦略と重点分野
稲葉製作所は、持続可能な成長を目指し、鋼製物置とオフィス家具の両セグメントでの製品開発を強化しています。中期経営計画では、特にオフィス家具のデザイン性や機能性を向上させることに注力しています。また、環境に配慮した製品の開発も進めており、持続可能な社会への貢献を目指しています。
4. 事業モデルの持続可能性
稲葉製作所の収益モデルは、鋼製物置とオフィス家具の販売に依存しています。市場ニーズの変化に対しては、デザインや機能性の向上を図ることで適応しています。また、OEM供給を通じて収益の多様化を図っています。
5. 技術革新と主力製品
稲葉製作所は、鋼製物置とオフィス家具の技術開発に力を入れています。特にオフィス家具では、 ergonomics（人間工学）を考慮した製品の開発が進められており、顧客のニーズに応える製品が多く存在します。主力製品としては、デスクや会議テーブル、オフィスチェアなどが挙げられます。
6. 株価の評価
現在の株価は1,699.0円で、PERは11.17倍、PBRは0.63倍です。業界平均PERは11.3倍、PBRは0.5倍であり、稲葉製作所のPERは業界平均に近い水準ですが、PBRはやや高めです。
7. テクニカル分析
直近の株価推移を見ると、現在の株価は年初来高値の2,063円からは下落しており、安値圏に位置しています。最近の出来高は27,500株であり、取引は活発ではありません。
8. 財務諸表分析
過去12か月の売上高は42,414百万円、営業利益は3,064百万円、純利益は2,441百万円で、利益率は約5.76%です。自己資本比率は72.0%と高く、財務の安定性が伺えます。過去数年にわたって売上は増加傾向にありますが、最近の四半期では減少が見られます。
9. 株主還元と配当方針
配当利回りは2.47%で、1株配当は42.00円の予想です。配当性向は23.21%と安定しており、株主還元に対する姿勢が見られます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
最近の株価は、上昇から下降に転じており、投資家の関心はやや薄れている様子です。特に、競争激化や原材料費の上昇が懸念されているため、今後の業績に対する不安が影響している可能性があります。
11. 総評
稲葉製作所は、鋼製物置市場での強いポジションを持ちながら、オフィス家具市場でも成長を続けています。しかし、競争が激化している中での価格競争や原材料費の上昇が懸念材料です。今後の経営戦略としては、製品の差別化や新市場への進出が重要となるでしょう。株価は安値圏にあり、投資家の関心が薄れつつあるため、業績の回復が期待されます。
企業情報
| 銘柄コード | 3421 |
| 企業名 | 稲葉製作所 |
| URL | http://www.inaba-ss.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 金属製品 |
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