1. 企業情報
企業名: 飯野海運株式会社
概要: 飯野海運は、海運業と不動産業を主要事業分野とする企業です。海運業では、原油タンカー、ケミカルタンカー、ガス船、バラ積み船を運航しており、不動産業ではオフィスビルの賃貸やホール・カンファレンスセンターの運営を行っています。
設立年月日: 1918年12月27日
代表者名: 大谷 祐介
従業員数: 680人
本社所在地: 〒100-0011 東京都千代田区内幸町2-1-1 飯野ビルディング
2. 業界のポジションと市場シェア
業界内での競争優位性や課題:
飯野海運は、多様な船舶を運航する総合海運企業として、業界内での競争力を持っています。特に、大型原油タンカーやガス船の運航において高いシェアを有しています。一方で、海運業界は地政学的リスクや燃料価格変動などの影響を受けやすいため、これらのリスク管理が課題となっています。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣が掲げるビジョンや戦略:
飯野海運は、2023年4月から2026年3月までの中期経営計画を掲げており、持続可能な成長と収益性の向上を目指しています。重点分野は、船舶の効率的な運航と既存契約の維持、新規事業の開拓、不動産事業の成長です。
中期経営計画の具体的な施策や重点分野:
- 海運事業: 効率配船と既存契約の有利更改による収益の安定化。
- 不動産事業: 賃料水準の上昇と空室率の改善による安定収益の維持。
4. 事業モデルの持続可能性
収益モデルや市場ニーズの変化への適応力:
飯野海運の収益モデルは、船舶運航による運賃収入と不動産賃貸による賃料収入に依存しています。市場ニーズの変化に対応するため、既存契約の維持と新規事業の開拓に重点を置いています。
5. 技術革新と主力製品
技術開発の動向や独自性:
飯野海運は、船舶の効率的な運航と環境への配慮を重視しており、技術革新は主に燃料効率の向上と環境負荷低減に焦点を当てています。
収益を牽引している製品やサービス:
主力製品は、運航する各種船舶であり、特に大型原油タンカー、ケミカルタンカー、ガス船が収益の中心となっています。
6. 株価の評価
EPSやBPSに基づく計算等を用いて、現在の株価との比較:
- EPS（会社予想）: 162.57円
- BPS（実績）: 1,355.84円
- PER（会社予想）: 6.91倍
現在の株価（1,124円）と比較すると、PERベースでは割安な水準にあると評価できます。
7. テクニカル分析
株価推移を参照して、現在の株価が高値圏か安値圏か:
過去52週間の高値は1,408円、安値は1,000円です。現在の株価（1,124円）は安値圏に位置しています。
8. 財務諸表分析
売上、利益、キャッシュフロー、ROE、ROAなどの指標を評価:
- 売上高（過去12か月）: 137,950百万円
- 営業利益（過去12か月）: 19,063百万円
- 純利益（過去12か月）: 19,745百万円
- ROE（過去12か月）: 15.13%
- ROA（過去12か月）: 4.40%
過去数年分の比較では、売上高と利益は増加傾向にありますが、営業利益率はやや低下しています。
9. 株主還元と配当方針
配当利回りや配当性向の分析:
- 配当利回り（会社予想）: 4.36%
- 配当性向: 30.07%
安定した配当性向と高配当利回りが見られます。
自社株買いなどの株主還元策:
自社株買いは行われていませんが、安定した配当政策が株主還元の主要手段となっています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
株価の直近の変動傾向（上昇・下降の勢い）:
直近10日間の株価は、1,101円から1,182円の間で変動しており、上昇傾向にあります。
株価への影響を与える要因:
地政学的リスク、燃料価格変動、市場動向が主要な影響要因です。
11. 総評
飯野海運は、海運業と不動産業を主要事業分野とする総合海運企業です。業界内での競争力は高いが、地政学的リスクや燃料価格変動の影響を受けやすい点が課題です。中期経営計画を推進し、収益性の向上を目指しています。株価は安値圏に位置しており、割安評価となっています。財務面では、ROEとROAが健全な水準を維持しており、株主還元も積極的に行っています。
企業情報
| 銘柄コード | 9119 |
| 企業名 | 飯野海運 |
| URL | http://www.iino.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 運輸・物流 – 海運業 |
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