1. 企業情報
伊勢化学工業株式会社は、ヨウ素および天然ガス、金属化合物事業を展開する日本の企業です。主な製品には、ヨウ素製品（ISEFLO、粗ヨウ素、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化銅、ヨウ素消毒剤など）や金属化合物（ニッケル塩、コバルト塩、トリコバルトテトロキシドなど）が含まれます。また、天然ガスの抽出・供給も行っており、国内ではヨウ素の生産量で首位を誇ります。1948年に設立され、東京に本社を置いています。
2. 業界のポジションと市場シェア
伊勢化学工業は、ヨウ素市場において国内での競争優位性を持ち、世界的にも大手企業の一つです。天然ガスの供給も行っているため、併産物としての収益源を確保しています。ただし、金属化合物事業では競争が激化しており、コスト管理や製品差別化が課題となっています。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、持続可能な成長を目指し、ヨウ素および金属化合物事業の強化を掲げています。特に、二次電池向けの金属化合物の開発を進めており、環境に配慮した製品の提供を重視しています。中期経営計画では、国内外の市場拡大を目指す施策が盛り込まれています。
4. 事業モデルの持続可能性
伊勢化学工業の事業モデルは、ヨウ素および天然ガスの需要が安定しているため、持続可能性が高いと評価されます。また、金属化合物市場の成長に伴い、収益モデルの多様化が進んでいます。市場ニーズの変化に対しても柔軟に対応できる体制を整えています。
5. 技術革新と主力製品
技術革新においては、ヨウ素製品の製造プロセスの効率化や新しい金属化合物の開発が進められています。主力製品としては、ヨウ素消毒剤や二次電池向けの金属化合物が収益を牽引しています。
6. 株価の評価
現在の株価は27,380円で、PERは27.36倍、PBRは4.09倍です。業界平均PER（15.9倍）やPBR（0.7倍）と比較すると、相対的に高評価されていることがわかります。EPSは1,000.68円で、配当利回りは1.31%です。
7. テクニカル分析
直近の株価推移を見ると、27,380円は高値圏に位置しています。年初来高値は40,500円、安値は7,940円であり、現在の株価は過去の高値に比べて低い水準にありますが、直近の動きは上昇傾向にあります。
8. 財務諸表分析
過去12か月の売上高は291億8,800万円で、前年同期比29.5%増加しています。営業利益は57億7,700万円で、前年同期比59.5%増加しています。自己資本比率は79.4%と高く、財務の安全性も確保されています。ROEは12.02%であり、効率的な資本運用がなされています。
9. 株主還元と配当方針
配当利回りは1.31%で、配当性向は33.18%です。年間配当は360円を予想しており、安定した株主還元策を実施しています。自社株買いについての情報はありませんが、配当の安定性が株主にとっての魅力となっています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は上昇傾向にあり、投資家の関心が高まっています。特に、業績の改善や市場の回復が影響していると考えられます。信用倍率は527.40倍と高く、短期的な投資家の関心が伺えます。
11. 総評
伊勢化学工業は、ヨウ素市場において強固な地位を築いており、安定した収益基盤を持つ企業です。今後の成長戦略や技術革新により、さらなる発展が期待されます。財務指標も良好で、株主還元策も実施しており、投資対象としての魅力があります。ただし、金属化合物事業の競争環境には注意が必要です。
企業情報
| 銘柄コード | 4107 |
| 企業名 | 伊勢化学工業 |
| URL | http://www.isechem.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 化学 |
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