1. 企業情報
- 企業名: ニッポン高度紙工業株式会社
- 設立: 1941年8月18日
- 所在地: 高知市春野町弘岡上648
- 事業内容:
- ニッポン高度紙工業は、セパレーターを製造・販売する企業で、主にアルミ電解コンデンサ用セパレーターや、デジタル家電向けの導電性ポリマー固体コンデンサ用セパレーター、電気二重層キャパシタ用セパレーター、バッテリー用セパレーターを提供しています。特にアルミ電解コンデンサ用セパレーターでは世界シェア約60%を誇ります。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 競争優位性:
- アルミ電解コンデンサ用セパレーターでの圧倒的なシェアを持ち、技術力が高いことが強みです。
- 課題:
- 国際的な競争が激化しており、特に中国企業との競争が課題となっています。また、原材料価格の変動も影響を及ぼします。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン:
- 高付加価値セパレーターの量産体制を構築し、持続可能な成長を目指しています。
- 中期経営計画:
- 米子工場の生産設備増設を計画しており、2024年11月からの稼働を予定しています。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:
- セパレーターの販売を主な収益源としており、特に電子機器やクリーンエネルギー関連の需要が高まっています。
- 市場ニーズの変化への適応力:
- AIサーバー関連の需要が堅調であり、産業機器向けの需要回復も期待されています。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の動向:
- セパレーター技術の革新に注力しており、特に電気二重層キャパシタ用セパレーターの需要が好調です。
- 主力製品:
- アルミ電解コンデンサ用セパレーターが主力製品であり、産業機器や車載用でも需要があります。
6. 株価の評価
- PER: 9.20倍（業界平均8.0倍）
- PBR: 0.82倍（業界平均0.5倍）
- EPS: 197.41円
- BPS: 2,213.77円
- 現在の株価（1,816円）は、PERやPBRの観点からも妥当な水準にあると考えられます。
7. テクニカル分析
- 株価推移:
- 直近の株価は1816円で、過去10日間の高値1845円、安値1815円の範囲内で推移しています。現在は安値圏に近い位置にあります。
8. 財務諸表分析
- 売上: 14,828百万円（前年同期比8.1%増）
- 営業利益: 2,129百万円（前年同期比30.9%増）
- 純利益: 1,557百万円（前年同期比15.5%増）
- ROE: 6.87%
- 自己資本比率: 62.1%
- 過去数年での利益成長が見られ、財務基盤も安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り: 2.75%
- 1株配当: 50.00円
- 配当性向: 34.00%
- 株主還元策として、安定した配当を維持しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近の株価変動:
- 株価は最近の高値から下落傾向にあり、投資家の関心が薄れている可能性があります。特に国際情勢や原材料価格の変動が影響を与えています。
11. 総評
ニッポン高度紙工業は、アルミ電解コンデンサ用セパレーターでの強力な市場ポジションを持ち、持続的な成長が期待される企業です。技術革新や市場のニーズに適応した製品開発が進んでおり、業績も堅調に推移しています。株価は現在安値圏にあり、配当利回りも魅力的ですが、国際的な競争や原材料価格の変動には注意が必要です。
企業情報
| 銘柄コード | 3891 |
| 企業名 | ニッポン高度紙工業 |
| URL | http://www.kodoshi.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 素材・化学 – パルプ・紙 |
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