1. 企業情報
ロンシール工業は、防水シート、床材、壁装材などの合成樹脂加工品を製造・販売する企業です。公共施設向けを中心に、鉄道車両用床材で高いシェアを誇ります。東ソーの子会社であり、安定した経営基盤を持っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
ロンシール工業は、主に建設業界向けの製品を提供しており、特に鉄道車両用床材で高いシェアを占めています。競合他社との競争はありますが、ニッチ市場での強みと、東ソーグループとしての安定性が競争優位性となっています。課題としては、建設需要や公共投資の変動による影響を受けやすい点が挙げられます。
3. 経営戦略と重点分野
決算短信からは、具体的な経営戦略や中期経営計画の詳細は読み取れませんでした。しかし、事業内容から、公共事業やインフラ投資の動向に合わせた製品開発や、高付加価値製品への注力などが考えられます。
4. 事業モデルの持続可能性
ロンシール工業の収益モデルは、建設需要に大きく依存しています。公共事業やインフラ投資の動向、さらには、新築・改修需要など、市場ニーズの変化への対応が重要です。鉄道車両用床材のように、代替が難しい製品を持つことは、安定した収益に繋がる可能性があります。
5. 技術革新と主力製品
ロンシール工業は、塩化ビニル製の防水材、壁装材、長尺床材などを主力製品としています。特に、鉄道車両用床材は高いシェアを誇り、安定した収益源となっています。技術革新については、抗菌・抗ウイルス機能を持つ壁材の開発など、付加価値の高い製品への注力が見られます。
6. 株価の評価
- PER(会社予想): 15.23倍
- PBR(実績): 0.36倍
- EPS(会社予想): 10.85円
- BPS(実績): 4,218.21円
PERは業界平均(15.9倍)を下回っています。PBRは低く、割安感があります。EPS、BPSは、株価と比較して、割安感を示唆しています。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、1479円から1563円の間で推移しており、2月7日の終値は1487円でした。年初来高値は1861円、年初来安値は1415円であり、現在の株価は年初来安値から上昇傾向にあります。50日移動平均線は1470.62円、200日移動平均線は1528.71円となっており、200日移動平均線を下回っています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去5年間で増加傾向にありましたが、直近の1年間は210億円台で横ばいとなっています。
- 営業利益: 2024年3月期は5.68億円と、前期の12.8億円から大きく減少しています。
- 経常利益: 2024年3月期は6.66億円と、前期の13.49億円から減少しています。
- 当期純利益: 2024年3月期は4.48億円と、前期の9.65億円から減少しています。
- ROE: 4.47%
- ROA: 2.38%
- 自己資本比率: 72.5%と高く、財務体質は良好です。
売上高は安定していますが、利益面では、原材料価格の高騰などの影響を受けて、減少傾向にあります。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り(会社予想): 4.71%
- 1株配当(会社予想): 70.00円
- 配当性向: 41.82%
高い配当利回りは魅力的です。年間配当は70円(中間70円、期末70円)と安定しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、1475円から1563円の間で推移しており、やや上昇傾向にあります。信用買残は増加傾向にあり、投資家の関心も高まっている可能性があります。
11. 総評
ロンシール工業は、鉄道車両用床材で高いシェアを持つ安定した企業です。高い配当利回りも魅力的です。しかし、直近の業績は、原材料価格の高騰などの影響を受けており、利益面では減少傾向にあります。今後の業績動向、特に公共事業やインフラ投資の動向、原材料価格の変動、コスト管理などに注目する必要があります。株価は割安感がありますが、業績の回復が今後の株価上昇の鍵となるでしょう。
企業情報
銘柄コード | 4224 |
企業名 | ロンシール工業 |
URL | http://www.lonseal.co.jp/ |
市場区分 | スタンダード市場 |
業種 | 素材・化学 – 化学 |
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