1. 企業情報
ヒューリックは、日本の不動産投資会社です。主な事業は、オフィスビル、商業ビル、賃貸住宅、ホテル、銀行支店ビル、高齢者向け住宅など、多岐にわたる不動産の保有、賃貸、仲介、売買です。旧富士銀行の銀行店舗ビル管理から出発し、都区内の駅近接ビルを中心に好物件を所有しています。また、私募ファンドの運用も行っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
ヒューリックは、都心部の優良物件を多く保有しており、不動産賃貸収入を安定的に得ています。不動産市況に左右される面はありますが、都心の一等地という優位性を活かして、安定した収益基盤を築いています。
3. 経営戦略と重点分野
ヒューリックは、中期経営計画において「変革」と「スピード」を基本とし、環境変化に柔軟に対応した進化を通じて、持続的な企業価値向上を目指しています。
新中期経営計画（2025-2027）の重点施策:
- 高い利益成長
- 安定基盤利益拡大を実現するポートフォリオ再構築
- 本格化する竣工物件の利益の最大化と、環境変化を見極めて厳選した開発の推進
- 「次の10年後」を見据えた新たな収益の柱の土台造り〜連結ベースでの収益拡大〜
- 格付水準の維持を前提とした財務健全性と、成長戦略に適応したリスク管理態勢構築
- 環境対応、人的資本の価値最大化、ガバナンス強化など、サステナブル経営の一層の深化
4. 事業モデルの持続可能性
ヒューリックの収益モデルは、主に不動産の賃貸収入と売買益によって構成されています。都心部の優良物件を保有しているため、安定した賃料収入が見込めます。また、販売用不動産の売買によって、収益を拡大させることも可能です。
市場ニーズの変化への適応としては、オフィス需要の変化に対応するため、物件の多角化を進めています。
5. 技術革新と主力製品
ヒューリックは、不動産賃貸・売買を主な事業としているため、直接的な技術革新というよりは、物件の耐震性向上や環境配慮型の設計など、建物の質の向上が重要になります。
収益を牽引しているのは、都心部のオフィスビルを中心とした不動産賃貸事業です。
6. 株価の評価
- 株価: 1,338.5円
- PER（会社予想）: 9.44倍（業界平均：13.6倍）
- PBR（実績）: 1.22倍（業界平均：1.6倍）
- EPS（会社予想）: 141.81円
- BPS（実績）: 1,093.78円
PER、PBRともに業界平均を下回っており、割安感があります。EPS、BPSも堅調に推移しています。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2025年1月27日には1384.5円から始まり、2025年2月7日には1338.5円で取引を終えています。年初来高値は1,648円、年初来安値は1,260円です。
200日移動平均線は1429.03円、50日移動平均線は1371.81円です。現在の株価は、50日移動平均線を下回っており、下落傾向にあると言えます。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去12ヶ月で467,285百万円。2023年12月期は446,383百万円。
- 営業利益: 過去12ヶ月で148,452百万円。2023年12月期は146,179百万円。
- 当期純利益: 過去12ヶ月で94,638百万円。2023年12月期は94,625百万円。
- ROE（実績）: 12.80%
- ROA（過去12か月）: 3.36%
- 自己資本比率（実績）: 27.3%
売上高、利益ともに安定的に推移しています。ROEは12.80%と、高い水準を維持しています。自己資本比率は27.3%と、財務基盤は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 4.26%
- 1株配当（会社予想）: 57.00円
- 配当性向: 40.17%
- 自社株買い: なし
高い配当利回りを維持しており、株主還元に積極的な姿勢を示しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は下落傾向にあり、モメンタムは弱くなっています。信用買残は増加傾向、信用売残は減少傾向にあり、信用倍率は2.73倍です。
株価への影響を与える要因としては、不動産市況の変動、金利動向、オフィス需要の変化などが挙げられます。
11. 総評
ヒューリックは、都心部の優良不動産を保有し、安定した収益基盤を持つ企業です。高い配当利回りも魅力的です。
財務状況は良好で、PER、PBRは割安感があります。
ただし、直近の株価は下落傾向にあり、今後の不動産市況や金利動向には注意が必要です。
企業情報
| 銘柄コード | 3003 |
| 企業名 | ヒューリック |
| URL | http://www.hulic.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 不動産 – 不動産業 |
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