1. 企業情報
株式会社カナモトは、北海道を地盤とする建設機械レンタル大手です。全国展開を進め、豪州や中国など海外にも拠点を展開しています。主な事業内容は、建設用機械、仮設資材等のレンタル及び販売です。その他、鉄鋼関連、情報関連、福祉関連事業も手掛けています。
2. 業界のポジションと市場シェア
カナモトは、建設機械レンタル業界において大手の一角を占めています。建設投資の増加を背景に、安定した需要が見込まれます。競争優位性としては、北海道を基盤とした広範なネットワークと、多岐にわたる建設機械のラインナップが挙げられます。課題としては、建設業界全体が抱える人手不足や資材価格の高騰などが挙げられます。
3. 経営戦略と重点分野
カナモトは、中期経営計画「Progress 65〜成長と効率化の両立に向けて〜」を策定し、「成長戦略と資本効率の改善」、「DX戦略の強化」、「サステナビリティへの取組み」を重点施策としています。具体的には、レンタル単価の適正化による収益構造の改善、DX推進による業務効率化、環境負荷低減への取り組みなどが挙げられます。
4. 事業モデルの持続可能性
カナモトの収益モデルは、建設投資に大きく依存します。公共投資や民間企業の設備投資が活発な状況下では、安定した収益が見込めます。市場ニーズの変化への適応としては、建設業界の動向を注視し、需要の高い機械のラインナップを拡充していくことが重要です。また、DX推進による業務効率化も、持続的な成長を支える要素となります。
5. 技術革新と主力製品
カナモトは、具体的な技術革新に関する言及は少ないものの、建設機械のレンタルを通じて、建設現場の効率化に貢献しています。主力製品は、油圧ショベル、ダンプトラック、仮設資材など、建設工事に必要な幅広い機械です。
6. 株価の評価
- 株価: 3,095.0円（2025年2月7日終値）
- EPS（会社予想）: 262.40円
- PER（会社予想）: 11.79倍（業界平均：17.0倍）
- BPS（実績）: 3,950.40円
- PBR（実績）: 0.78倍（業界平均：1.8倍）
PER、PBRともに業界平均を下回っており、割安感があります。EPS、BPSも堅調に推移しており、今後の業績拡大への期待も持てます。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、3,070円から3,140円の間で推移しており、3,000円台を維持しています。年初来高値3,395円からは下落していますが、50日移動平均線（3,185.60円）を下回っているものの、200日移動平均線（2,893.51円）を上回っており、底堅さも伺えます。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去5年間、安定的に増加傾向にあります。2024年10月期は207,218百万円と、前期比で4.9%増収。
- 営業利益: 2024年10月期は14,569百万円と、前期比で21.8%増益。
- 経常利益: 2024年10月期は15,218百万円と、前期比で21.9%増益。
- 当期純利益: 2024年10月期は9,013百万円と、前期比で34.1%増益。
- ROE（実績）: 6.57%
- ROA（過去12か月）: 2.63%
- 自己資本比率（実績）: 43.4%
売上高、利益ともに増加傾向にあり、収益性は向上しています。自己資本比率も高く、財務体質は良好です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 2.58%
- 1株配当（会社予想）: 80.00円
- 配当性向: 29.56%
- 自社株買い: 2024年12月9日から2025年8月29日までの期間で、最大90万株、20億円を上限とする自社株買いを実施予定。
安定した配当を実施しており、株主還元にも積極的な姿勢を示しています。自社株買いも実施しており、株主価値の向上に貢献しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、やや調整局面にあるものの、底堅さも伺えます。信用買い残がやや増加傾向にある一方、信用売り残は減少しており、需給はやや良好な状態です。2024年12月9日に機関投資家・アナリスト向けオンライン説明会を開催しており、投資家の関心も高いと考えられます。
11. 総評
カナモトは、建設機械レンタル業界の大手であり、安定した収益基盤を持っています。財務状況も良好で、株主還元にも積極的です。中期経営計画に基づき、成長戦略を推進しており、今後の業績拡大も期待できます。株価は割安感があり、テクニカル的にも底堅さが見られます。建設業界の動向や、今後の業績推移を注視しながら、長期的な視点での投資を検討する価値があると考えられます。
企業情報
| 銘柄コード | 9678 |
| 企業名 | カナモト |
| URL | http://www.kanamoto.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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