1. 企業情報
ノイルイミューン・バイオテックは、CAR-T細胞を用いたがん免疫療法薬の開発に特化したバイオテクノロジー企業です。独自技術であるPRIME技術を活用し、複数の抗がん剤候補を開発中です。中外製薬とのライセンス契約も締結しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
医薬品業界、特にがん免疫療法分野は、高い成長が見込まれるものの、競争も激しい分野です。ノイルイミューン・バイオテックは、独自の技術を持つものの、まだ開発段階であり、市場シェアは限定的です。競合他社との差別化が今後の課題となります。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、PRIME技術を基盤とした自社創薬事業と共同パイプラインの推進を戦略としています。
* 重点分野:
* NIB103の開発に注力し、タカラバイオとの共同開発を推進、2025年の治験届を目指しています。
* NIB104、NIB105の早期の臨床ステージへの移行を目指しています。
* 新たなパイプラインや次世代技術に関する研究を実施しています。
* 共同パイプラインはAdaptimmune therapeutics plc、Autolus therapeutics plc及び中外製薬株式会社による研究開発が進行しています。
* 第一三共株式会社において技術評価に関する契約を締結しています。
4. 事業モデルの持続可能性
現時点では、開発段階であり、売上は限定的です。収益は、今後の開発の進捗、治験の成功、承認取得、そして販売開始によって大きく左右されます。市場ニーズへの適応力は、技術革新と臨床試験の結果にかかっています。
5. 技術革新と主力製品
- 技術革新: PRIME技術と呼ばれる独自のCAR-T細胞免疫療法技術を有しています。
- 主力製品: 現在は開発段階であり、収益を牽引する製品はまだありません。NIB103、NIB104、NIB105などの開発パイプラインが今後の収益の柱となる可能性があります。
6. 株価の評価
- EPS: -22.96円（会社予想）
- BPS: 113.07円（実績）
- PER: 算出不可（赤字のため）
- PBR: 1.66倍
現時点では、赤字決算のためPERは算出できません。PBRは1.66倍であり、類似企業と比較して評価を検討する必要があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、2025年2月5日に高値229円をつけた後、下落傾向にあります。200日移動平均線（181.84円）を上回っていますが、短期的な変動に注意が必要です。年初来高値353円、年初来安値121円。
8. 財務諸表分析
| 指標 | 過去12ヶ月 | 2023年12月期 | 2022年12月期 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 308百万円 | 317百万円 | 626百万円 |
| 営業利益 | -976百万円 | -775百万円 | -106百万円 |
| 当期純利益 | -980百万円 | -1,130百万円 | -387百万円 |
| ROE | -22.66% | – | – |
| 自己資本比率 | 98.3% | – | – |
過去数年間、赤字が続いています。売上高は減少傾向にあり、営業損失、当期純損失も拡大しています。自己資本比率は高い水準を維持しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り: 0.00%
- 1株配当: 0.00円
- 配当性向: 0.00%
現時点では、配当は実施されていません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は下落傾向にあり、モメンタムは弱くなっています。信用買い残が多く、今後の株価変動に影響を与える可能性があります。
* 信用倍率: 32.35倍（買い残が圧倒的に多い）
* 出来高: 直近10日間の平均出来高は1.92Mと増加傾向
11. 総評
ノイルイミューン・バイオテックは、がん免疫療法分野で独自の技術を持つものの、現時点では開発段階であり、財務状況は厳しい状況です。今後の株価は、開発の進捗、治験の成功、そして市場からの評価に大きく左右されます。投資にあたっては、リスクを十分に理解し、長期的な視点を持つことが重要です。
企業情報
| 銘柄コード | 4893 |
| 企業名 | ノイルイミューン・バイオテック |
| URL | https://www.noile-immune.com/ |
| 市場区分 | グロース市場 |
| 業種 | 医薬品 – 医薬品 |
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