1. 企業情報
カルナバイオサイエンスは、創薬支援事業と創薬事業を展開するバイオテクノロジー企業です。キナーゼタンパク質の販売や解析受託などの創薬初期段階の支援事業が主力であり、キナーゼ阻害剤を用いた創薬にも取り組んでいます。
2. 業界のポジションと市場シェア
創薬支援事業においては、キナーゼ関連製品とサービスを提供するニッチ市場に位置しています。創薬事業においては、競合他社との比較において、開発パイプラインや資金調達力などが課題となる可能性があります。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、がん領域における新薬開発に注力しています。具体的には、キナーゼ阻害剤の開発を進めており、臨床試験の進捗が重要となります。創薬支援事業においては、キナーゼ関連製品とサービスの提供を通じて、安定的な収益基盤の確立を目指しています。
4. 事業モデルの持続可能性
創薬支援事業は、比較的安定した収益基盤を築く可能性がありますが、創薬事業は、開発の成功可否に大きく左右されるため、不確実性が高い事業モデルです。市場ニーズの変化への対応として、キナーゼ以外の創薬ターゲットへの展開や、新たな技術の導入などが求められます。
5. 技術革新と主力製品
キナーゼタンパク質、基質、アッセイキットなど、キナーゼ関連製品が主力製品です。また、創薬事業においては、CDC7キナーゼ阻害剤AS-0141、炎症性疾患治療薬AS-0871、慢性リンパ性白血病治療薬AS-1763などの開発を進めています。
6. 株価の評価
- 株価: 290.0円
- EPS（会社予想）: (連)-112.43円
- BPS（実績）: (連)129.62円
- PER: 算出不可（赤字のため）
- PBR: 1.97倍
EPSは赤字であり、PERは算出できません。PBRは1.97倍であり、類似企業と比較して割安か割高かの判断は、事業内容や成長性などを考慮する必要があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、285円から306円の間で変動しており、2月10日の終値は290円でした。年初来安値は260円、年初来高値は543円であり、現在の株価は年初来安値に近い水準です。50日移動平均線は292.28円、200日移動平均線は356.62円となっており、株価は両移動平均線を下回っています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2024年12月期は636百万円と、前年同期比で60.9%減少しました。
- 営業損失: 2024年12月期は2,076百万円と、大幅な赤字を計上しています。
- 当期純損失: 2024年12月期は2,178百万円と、大幅な赤字を計上しています。
- ROE: (過去12か月) -46.68%と、マイナスです。
- 自己資本比率: 89.3%と、高い水準を維持しています。
- キャッシュフロー: 営業活動によるキャッシュ・フローはマイナス、投資活動によるキャッシュ・フローもマイナス、財務活動によるキャッシュ・フローはプラスです。
過去数年間の財務状況を比較すると、売上高の減少と赤字幅の拡大が続いており、厳しい状況です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 0.00%
- 1株配当（会社予想）: 0.00円
現時点では、配当は実施されていません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は下落傾向にあり、モメンタムは弱いです。信用倍率は0.00倍と、売り残がありません。今後の株価への影響要因としては、創薬パイプラインの進捗、資金調達の状況、市場環境などが挙げられます。
11. 総評
カルナバイオサイエンスは、創薬支援事業と創薬事業を展開していますが、直近の業績は売上高の減少と大幅な赤字が続いており、厳しい状況です。株価も低迷しており、今後の業績回復と株価上昇には、創薬パイプラインの進捗と資金調達の成功が不可欠です。投資にあたっては、リスクを十分に理解し、慎重な判断が求められます。
企業情報
| 銘柄コード | 4572 |
| 企業名 | カルナバイオサイエンス |
| URL | http://www.carnabio.com/ |
| 市場区分 | グロース市場 |
| 業種 | 医薬品 – 医薬品 |
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