1. 企業情報
日本化学産業は、無機化学薬品を主力とする企業です。具体的には、メッキ薬品、触媒原料、二次電池用正極材、防火建材などを製造・販売しています。事業は薬品事業と建材事業に分かれており、特に薬品事業が収益の大部分を占めています。二次電池関連の需要を取り込み、業績を伸ばしています。
2. 業界のポジションと市場シェア
日本化学産業は、無機化学薬品業界において、ニッチながらも特定の分野で強みを持つ企業です。特に表面処理薬品や二次電池関連の分野で、技術的な優位性や顧客との関係性を構築していると考えられます。ただし、詳細な市場シェアに関するデータは公開されていません。競合他社との差別化を図り、特定の市場ニーズに対応することで、競争優位性を維持していると推測されます。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、2030年のありたい姿を目指し、リチウムイオン電池リサイクルのパイロットプラント建設に着手するなど、中長期的な成長戦略を描いています。重点分野としては、二次電池関連事業の拡大、電子工業向け需要への対応、建材事業における新規顧客開拓などが挙げられます。
4. 事業モデルの持続可能性
日本化学産業の事業モデルは、特定の産業分野における需要に依存しているため、市場ニーズの変化への対応が重要です。二次電池関連の需要拡大は追い風ですが、技術革新や競合の出現により、競争環境は変化する可能性があります。既存顧客との関係性を維持しつつ、新たな技術開発や製品投入を通じて、持続的な成長を目指す必要があります。
5. 技術革新と主力製品
日本化学産業は、表面処理技術や無機化学に関する技術力を有しています。主力製品としては、メッキ薬品、二次電池用正極材、防火建材などが挙げられます。特に、二次電池関連の製品は、今後の成長を牽引する可能性があります。
6. 株価の評価
- 株価: 1,494円（2025年2月10日終値）
- PER（会社予想）: 14.60倍（業界平均：15.9倍）
- PBR（実績）: 0.63倍（業界平均：0.7倍）
- EPS（会社予想）: 102.30円
- BPS（実績）: 2,381.12円
PER、PBRともに業界平均を下回っており、割安感があります。EPS、BPSも堅調であり、今後の業績拡大への期待も込められていると考えられます。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2025年2月7日に年初来高値1,590円を記録した後、やや調整局面に入っています。200日移動平均線（1444.42円）を上回っており、上昇トレンドを維持していると見られます。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去12ヶ月で224.4億円、2024年3月期は240.6億円、2023年3月期は237.2億円と、増収傾向にあります。
- 営業利益: 過去12ヶ月で21.8億円、2024年3月期は29億円、2023年3月期は42.2億円と、変動が見られます。
- 当期純利益: 過去12ヶ月で17.4億円、2024年3月期は22.3億円、2023年3月期は32.4億円と、変動が見られます。
- ROE（実績）: 3.91%
- ROA（過去12か月）: 3.30%
- 自己資本比率（実績）: 86.3%
自己資本比率が高く、財務体質は安定しています。利益率は、今後の業績拡大によって改善する可能性があります。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 4.02%
- 1株配当（会社予想）: 60.00円
- 配当性向: 52.78%
- 自社株買い: 実施の記載なし
高い配当利回りは、投資家にとって魅力的な要素です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は上昇傾向にあり、好調な業績や今後の成長期待から、投資家の関心も高まっていると考えられます。信用買い残が多いことから、今後の株価変動には注意が必要です。
11. 総評
日本化学産業は、無機化学薬品を主力とし、二次電池関連の需要を取り込むことで業績を伸ばしています。財務体質は安定しており、高い配当利回りも魅力的です。株価は割安感があり、今後の業績拡大への期待も持てます。ただし、業界の競争激化や、市場ニーズの変化に対応できるかが、今後の成長の鍵となります。投資判断にあたっては、これらの点を考慮し、ご自身の投資判断に基づいて慎重に行ってください。
企業情報
| 銘柄コード | 4094 |
| 企業名 | 日本化学産業 |
| URL | http://www.nihonkagakusangyo.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 化学 |
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