1. 企業情報
ニッスイ株式会社は、水産業、食品、ファインケミカル、物流、及び海洋関連事業を展開する企業です。主に鮭、アラスカポラック、ブリ、エビ、マグロ、カニなどの水産物を提供し、家庭用や業務用の冷凍食品、常温食品、すり身製品を製造・販売しています。また、ファインケミカル製品として、医薬品向けのEPAなどを供給しています。1911年に設立され、東京に本社を置いています。
2. 業界のポジションと市場シェア
ニッスイは、日本国内の水産業および食品業界において確固たる地位を築いており、特に家庭用冷凍食品市場でのシェアが高いです。しかし、競争が激化する中で、海外市場への進出や養殖事業の強化が課題となっています。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、持続可能な水産業の構築や、海外市場の拡大を目指しています。中期経営計画では、食品事業の成長を重点に置き、特に海外市場での販売拡大を図る施策が掲げられています。
4. 事業モデルの持続可能性
ニッスイの収益モデルは多様であり、水産物の加工・販売、冷凍食品、ファインケミカル製品などが含まれています。市場ニーズの変化に対しても、冷凍食品や健康志向の製品開発を通じて適応しています。
5. 技術革新と主力製品
技術開発においては、ファインケミカル分野での高純度EPA製品が主力です。また、冷凍食品やすり身製品の品質向上にも注力しています。これにより、収益を牽引しています。
6. 株価の評価
- 株価: 837.7円
- PER（予想）: 10.90倍
- PBR（実績）: 1.00倍
- EPS（予想）: 77.21円
- BPS（実績）: 842.12円
現在の株価は、業界平均PER（9.9倍）と比較してやや高めですが、成長の期待があるため、投資判断には注意が必要です。
7. テクニカル分析
直近の株価は846.5円から837.7円に下落しており、過去の高値（1,002円）と比較すると安値圏に位置しています。200日移動平均（894.44円）を下回っているため、短期的には注意が必要です。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 864,923百万円（前年同期比+6.1%）
- 営業利益: 30,671百万円（前年同期比+25.3%）
- 純利益: 22,664百万円（前年同期比+6.8%）
- ROE: 10.24%
- 自己資本比率: 41.1%
過去数年で売上は増加傾向にあり、利益率も改善していますが、営業利益の成長が鈍化するリスクがあります。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り: 3.33%
- 1株配当: 28円
- 配当性向: 34.93%
安定した配当政策を維持しており、株主還元に積極的です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
最近の株価は下落傾向にあり、投資家の関心は高まっていない様子です。特に、業績の安定性や成長性に対する懸念が影響していると考えられます。
11. 総評
ニッスイは、水産業と食品業界において強固な地位を持つ企業であり、海外市場への進出や製品の多様化を進めています。財務指標は堅調ですが、競争環境や市場の変化に対する適応力が求められています。株価は安値圏にあり、投資判断には慎重さが必要です。
企業情報
| 銘柄コード | 1332 |
| 企業名 | ニッスイ |
| URL | https://www.nissui.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 食品 – 水産・農林業 |
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