1. 企業情報
曙ブレーキ工業は、独立系のブレーキメーカーとして、自動車、二輪車、鉄道車両、産業機械向けにブレーキ製品を開発・製造・販売しています。国内、北米、欧州、アジアなどグローバルに事業を展開しており、特に自動車向けでは高い市場シェアを有しています。事業再生ADRによる再建を終え、構造改革を進めています。
2. 業界のポジションと市場シェア
自動車部品業界に属し、ブレーキシステムで高い技術力と実績を持つ独立系メーカーです。主要顧客はトヨタ、日産、いすゞなど大手自動車メーカーであり、安定した取引関係を築いています。競争環境としては、世界的なブレーキメーカーとの競争に加え、電動化の流れの中で、ブレーキシステムの技術革新への対応が求められています。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、構造改革を通じて収益性の改善を目指しています。具体的には、コスト削減、生産効率の向上、高付加価値製品の開発などが重点分野と考えられます。中期経営計画については、開示情報が限られているため、今後の発表に注目する必要があります。
4. 事業モデルの持続可能性
自動車業界の変革期において、ブレーキシステムの需要は安定的に存在すると考えられます。しかし、電動化や自動運転技術の進展に伴い、ブレーキシステムの役割も変化しており、技術革新への対応が重要です。曙ブレーキ工業は、これらの変化に対応するため、電動ブレーキシステムなどの開発を進めています。
5. 技術革新と主力製品
ディスクブレーキキャリパー、ブレーキパッド、ブレーキローターなど、幅広いブレーキ製品を提供しています。電動化に対応した製品の開発も進めており、今後の収益への貢献が期待されます。
6. 株価の評価
- 株価: 116.0円（2025年2月13日終値）
- PER（会社予想）: 5.00倍（業界平均13.3倍と比較して割安）
- PBR（実績）: 0.30倍（業界平均0.8倍と比較して割安）
- EPS（会社予想）: 23.20円
- BPS（実績）: 383.95円
PER、PBRともに業界平均を下回っており、割安感があります。EPSは黒字転換していますが、今後の業績推移を注視する必要があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、107円から116円の範囲で推移しており、上昇傾向にあります。年初来安値は102円、年初来高値は188円であり、現在の株価は年初来安値からやや上昇した水準にあります。50日移動平均線は112.26円、200日移動平均線は131.90円です。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2024年3月期は1539.84億円、2025年3月期（予想）は1676億円と増収を見込んでいます。
- 営業利益: 2024年3月期は1.84億円、2025年3月期（予想）は32億円と大幅な増益を見込んでいます。
- 当期純利益: 2024年3月期は9.6億円、2025年3月期（予想）は31億円と増益を見込んでいます。
- ROE（実績）: 7.21%
- 自己資本比率（実績）: 34.8%
過去数年の業績は、構造改革の影響もあり、変動が大きくなっています。2025年3月期は増収増益を見込んでおり、今後の業績回復に期待できます。自己資本比率は34.8%と、財務体質は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 0.00%
- 1株配当（会社予想）: 0.00円
現時点では無配です。今後の配当方針については、業績の回復状況を見ながら判断されるものと思われます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は上昇傾向にあり、出来高も増加傾向にあります。信用買い残は増加、信用売り残は減少しており、買い圧力が強まっています。
11. 総評
曙ブレーキ工業は、構造改革による収益改善を目指しており、2025年3月期は増収増益を見込んでいます。株価は割安感があり、テクニカル的にも上昇トレンドにあります。ただし、自動車業界の変革期において、技術革新への対応が重要であり、今後の業績推移を注視する必要があります。投資判断は、自己責任でお願いします。
企業情報
| 銘柄コード | 7238 |
| 企業名 | 曙ブレーキ工業 |
| URL | http://www.akebono-brake.com |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 自動車・輸送機 – 輸送用機器 |
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