1. 企業情報
三機工業は、建築設備工事を主力とする総合エンジニアリング企業です。具体的には、空調設備、給排水衛生設備、防災設備などの建築設備工事に加え、工場やプラント向けの機械システム、環境システムなど、幅広い社会インフラ関連のサービスを提供しています。三井グループに属しており、安定した経営基盤を持っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
三機工業は、設備工事業界において大手の一角を占めています。特に、建築設備分野では高い技術力と豊富な実績を有しており、大手ゼネコンとの取引も多く、安定した需要を確保しています。近年では、工場やプラント向けの機械システムや環境システムにも注力しており、事業の多角化を進めています。
競争優位性:
- 高い技術力と豊富な実績
- 大手ゼネコンとの安定的な取引関係
- 幅広い事業ポートフォリオ
- 三井グループとしての安定した経営基盤
課題:
- 建設投資の変動による業績への影響
- 人件費や資材価格の高騰
- 競争激化による価格競争
3. 経営戦略と重点分野
三機工業は、中期経営計画において、以下の点を重点分野としています。
* 建築設備事業の強化: 高度な技術力を活かした高付加価値工事の受注拡大、省エネ・環境配慮型設備の提案強化。
* 機械システム事業の拡大: 半導体製造工場向け設備、物流システム、環境関連設備の受注拡大。
* 環境システム事業の強化: 水処理プラント、廃棄物処理・リサイクル設備の受注拡大。
* 海外事業の推進: 東南アジアを中心とした海外市場への進出。
* DX推進: デジタル技術を活用した業務効率化、新たなサービスの創出。
4. 事業モデルの持続可能性
三機工業の事業モデルは、社会インフラの整備・更新需要に支えられており、安定した収益基盤を持っています。特に、環境規制の強化や省エネ意識の高まりを背景に、環境関連設備の需要は今後も拡大が見込まれます。また、老朽化したインフラの更新需要も、長期的な成長を支える要因となります。
市場ニーズの変化への適応力:
- 省エネ・環境配慮型設備の開発・提案
- デジタル技術を活用した業務効率化
- 海外市場への進出
5. 技術革新と主力製品
三機工業は、技術開発にも積極的に取り組んでおり、省エネ性能の高い空調システム、環境負荷の少ない水処理技術などを開発しています。
主力製品・サービス:
- 空調設備
- 給排水衛生設備
- 防災設備
- 工場向け機械システム
- 水処理プラント
- 廃棄物処理・リサイクル設備
6. 株価の評価
- 株価: 3,275円（2025年2月14日終値）
- EPS (過去12か月): 184.07円
- PER: 17.79倍（株価 ÷ EPS）
- BPS (直近四半期): 1902.83円
- PBR: 1.72倍（株価 ÷ BPS）
- 配当利回り: 3.44%
- 業界平均PER: 14.0
- 業界平均PBR: 1.1
PERは業界平均をやや上回っており、PBRも1倍を超えています。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は上昇傾向にあり、本日も高値を更新しています。50日移動平均線（3096.28円）を上回っており、上昇トレンドにあると考えられます。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去5年間で増加傾向にあり、2024年3月期には2219億円を計上。
- 営業利益: 2023年3月期に大きく改善し、2024年3月期には115.9億円を計上。
- 当期純利益: 2024年3月期には89.5億円を計上し、過去最高益を更新。
- ROE (過去12か月): 12.26%
- ROA (過去12か月): 5.78%
直近の四半期決算（2025年3月期第3四半期）:
- 売上高：1764.9億円（前年同期比18.0%増）
- 営業利益：141.75億円（前年同期比136.3%増）
- 経常利益：152.85億円（前年同期比119.0%増）
- 親会社株主に帰属する四半期純利益：101.64億円（前年同期比109.1%増）
増収増益で、好調な業績を示しています。
9. 株主還元と配当方針
三機工業は、株主還元にも積極的に取り組んでいます。
* 配当利回り: 3.44%
* 配当性向: 40.40%
* 配当実績: 2024年3月期は年間85円（普通配当35円、特別配当15円）、2025年3月期は年間145円（予想）と増配。
* 自社株買い: 決算短信にて自己株式の取得・消却を実施。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価モメンタム: 直近の株価は上昇傾向にあり、好調な業績と増配発表が株価を押し上げていると考えられます。
- 株価への影響を与える要因:
- 建設投資の動向
- 資材価格の変動
- 新技術の開発
- 海外事業の進捗
- 業績発表
11. 総評
三機工業は、建築設備工事を主力とする安定した事業基盤を持つ企業です。好調な業績と増配により、株価は上昇傾向にあります。技術力、事業の多角化、安定した財務基盤を強みとしており、今後の成長も期待できます。ただし、建設投資の変動や資材価格の高騰などのリスクも考慮する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 1961 |
| 企業名 | 三機工業 |
| URL | http://www.sanki.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 建設業 |
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