1. 企業情報
アサガミ株式会社は、1948年に設立された日本の物流企業で、東京に本社を置いています。主な事業は物流、不動産、印刷の3つのセグメントで構成されています。物流事業では、倉庫業務、海上輸送、陸上輸送、サードパーティ物流などを提供し、印刷事業では新聞や年賀状、婚礼案内状の印刷を手掛けています。また、不動産事業では不動産の賃貸と管理を行っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
アサガミは、運輸・物流業界において一定の地位を築いていますが、競争は激しく、ドライバー不足や燃料価格の高騰といった課題に直面しています。特に、サードパーティ物流（3PL）市場では、顧客ニーズの多様化に対応するための競争優位性が求められています。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、物流事業の効率化とコスト削減を目指し、3PL部門を運輸部門に集約する戦略を掲げています。また、印刷事業では市場縮小に対応するため、新たなサービスの開発や顧客基盤の拡大に注力しています。中期経営計画では、持続可能な成長を目指し、各事業の収益性向上を図る施策が盛り込まれています。
4. 事業モデルの持続可能性
アサガミは、物流サービスを通じて安定した収益を確保していますが、印刷事業は市場の縮小に直面しており、収益モデルの持続性が課題です。特に、デジタル化の進展により、従来の印刷需要が減少しているため、事業の多角化が求められています。
5. 技術革新と主力製品
アサガミは、情報技術を活用した物流管理サービスを提供しており、ERP/SCMソフトウェアとのデータ交換を通じて効率的な物流ネットワークの構築を目指しています。主力製品は、物流サービス全般と印刷サービス（特に年賀状や婚礼案内状）です。
6. 株価の評価
現在の株価は5,820円で、PERは7.80倍、PBRは0.39倍です。業界平均PERは11.8倍、PBRは0.5倍であり、アサガミは相対的に割安な評価を受けている可能性があります。
7. テクニカル分析
直近の株価は5820円で、年初来高値は6500円、安値は5100円です。株価は現在、年初来安値と高値の中間に位置しており、テクニカル的には安値圏に近い状況です。
8. 財務諸表分析
過去12か月の売上高は396.34億円、営業利益は15.37億円、純利益は8.58億円です。自己資本比率は44.2%であり、財務的には安定していますが、営業利益率は低下傾向にあります。特に、営業利益は前年同期比で減少しており、収益性の改善が求められます。
9. 株主還元と配当方針
配当利回りは未発表ですが、期末配当予想は120円です。配当性向は19.05%であり、安定した株主還元策を維持しています。自社株買いの情報はありませんが、株主還元に対する姿勢は評価されます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
株価は直近で安定しており、特に大きな変動は見られません。投資家の関心は、業績改善や新たな成長戦略に向けられています。
11. 総評
アサガミ株式会社は、物流事業を中心に安定した収益を上げているものの、印刷事業の市場縮小が懸念されます。経営戦略としては、効率化や新サービスの開発が進められており、今後の業績改善に期待が寄せられています。財務指標は安定しているものの、競争環境の厳しさや市場動向に対する柔軟な対応が求められます。全体としては、割安感のある株価水準であり、投資機会として注目される企業です。
企業情報
| 銘柄コード | 9311 |
| 企業名 | アサガミ |
| URL | http://www.asagami.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 運輸・物流 – 倉庫・運輸関連業 |
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