1. 企業情報
ライオン株式会社は、歯磨き粉で国内首位級、医薬品「バファリン」に強みを持つ大手家庭用品メーカーです。歯ブラシ、トイレタリー製品、洗剤、シャンプーなど幅広い消費財を製造・販売しています。近年は、アジア地域での事業拡大を加速させています。
2. 業界のポジションと市場シェア
ライオンは、オーラルケア製品（歯磨き、歯ブラシなど）で国内トップクラスのシェアを誇ります。トイレタリー製品や洗剤分野でも高い競争力を持っています。国内市場は成熟していますが、新製品開発や高付加価値製品の投入、海外展開によって成長を目指しています。競合としては、花王、P&Gなどが挙げられます。
3. 経営戦略と重点分野
ライオンは、中期経営計画「Vision2030 1st STAGE」を経て、2025年からは「Vision2030 2nd STAGE」をスタートさせます。重点分野は以下の通りです。
* 高収益体質の構築: EBITDAマージン13%超、ROIC8~9%を目標としています。
* グローバル展開の加速: 海外売上高構成比50%を目指し、東南・南アジア、中国、韓国での事業拡大を推進しています。
* オーラルケア事業の強化: 歯周病予防や口腔ケアに関する製品・サービスの拡充を図っています。
* ヘルスケア領域の強化: 医薬品事業の成長を目指し、「バファリン」などの既存製品の強化に加え、新製品の開発も行っています。
4. 事業モデルの持続可能性
ライオンの事業モデルは、安定した需要が見込める日用品を中心としているため、比較的持続可能性が高いと考えられます。しかし、少子高齢化による国内市場の縮小や、競合他社との競争激化、原材料価格の変動などのリスクも存在します。これらのリスクに対応するため、海外展開の強化や高付加価値製品の開発、コスト削減などが重要となります。
5. 技術革新と主力製品
ライオンは、オーラルケア分野を中心に、技術革新に取り組んでいます。歯周病予防や口臭対策など、消費者のニーズに応える製品開発に注力しています。主力製品としては、歯磨き粉「クリニカ」、解熱鎮痛剤「バファリン」、洗剤「トップ」などが挙げられます。
6. 株価の評価
- EPS（1株あたり当期純利益）: 直近12ヶ月で65.88円、2024年12月期は76.51円
- BPS（1株あたり純資産）: 直近四半期で1062.70円
- PER（株価収益率）: 1866.0円 / 76.51円 = 24.39 (2024年12月期EPSベース)
- PBR（株価純資産倍率）: 1866.0円 / 1062.70円 = 1.75
- 業界平均PER: 20.4
- PERは業界平均と比較してやや高めですが、成長性や今後の業績予想を考慮すると、妥当な水準とも考えられます。
7. テクニカル分析
- 株価推移:
- 2025年2月14日の終値は1866.0円。
- 直近10日間の株価は上昇傾向にあり、52週高値（1884.00円）に迫っています。
- 50日移動平均線（1716.20円）と200日移動平均線（1529.42円）を大きく上回っており、上昇トレンドを示唆しています。
- 値幅制限: 1,184～1,984
- 値幅制限の上限に近づいているため、今後の株価変動には注意が必要です。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去5年間で増加傾向にあり、2024年12月期は4129億4300万円。
- 営業利益: 2024年12月期は283億8700万円と、前期比で大幅に増加しています。
- 当期利益: 2024年12月期は240億7200万円と、前期比で大幅に増加しています。
- ROE（自己資本利益率）: 直近12ヶ月で7.84%
- ROA（総資産利益率）: 直近12ヶ月で3.61%
- 収益性は改善傾向にあり、特に利益率の向上が見られます。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り: 1.61% (予想)
- 配当性向: 35.34%
- 自社株買い: 実施の記載なし
- 配当: 中間配当13.00円、期末配当14.00円、年間配当30.00円を予定しています。
- 安定した配当を実施しており、株主還元に対する意識は高いと考えられます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価モメンタム: 直近10日間の株価は上昇傾向にあり、強いモメンタムを示しています。
- 出来高: 6,940,200株（2025年2月14日）と活況です。
- 信用取引: 信用買残は増加、信用売残は減少しており、強気の見方が多いと考えられます。
- 株価への影響要因:
- 2024年12月期の好決算発表
- 中期経営計画の進捗
- 海外事業の成長
- 原材料価格の変動
- 為替変動
11. 総評
ライオンは、安定した事業基盤と高いブランド力を持つ優良企業です。2024年12月期の好決算や、中期経営計画の進捗、海外事業の成長など、ポジティブな材料が多く、今後の成長も期待できます。株価は上昇トレンドにあり、テクニカル的にも良好な状況です。ただし、株価は52週高値に迫っており、今後の株価変動には注意が必要です。投資判断にあたっては、リスク要因も考慮し、ご自身の判断で慎重に行ってください。
企業情報
| 銘柄コード | 4912 |
| 企業名 | ライオン |
| URL | http://www.lion.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 化学 |
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