1. 企業情報
積水化成品工業は、発泡プラスチック製品を主力とする化学メーカーです。自動車部品、包装材、工業用部品、食品容器など、幅広い分野で製品を提供しています。積水化学工業グループの一員であり、発泡樹脂素材と成形品で高いシェアを誇っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
発泡プラスチック業界において、積水化成品工業はリーディングカンパニーの一つです。特に自動車関連分野に強く、グローバルな展開を進めています。競争優位性としては、長年の技術蓄積と多様な製品ラインナップが挙げられます。課題としては、原材料価格の変動や、競合他社との競争激化が挙げられます。
3. 経営戦略と重点分野
中期経営計画「Spiral-up 2024」に基づき、以下の3つの重点課題に取り組んでいます。
* 収益体質の強化
* 環境・社会課題解決型事業への転換
* 経営基盤の強化
具体的には、高付加価値製品の開発、海外市場の開拓、環境対応製品の強化などを推進しています。
4. 事業モデルの持続可能性
積水化成品工業の事業モデルは、自動車産業や食品業界など、幅広い分野の需要に支えられています。市場ニーズの変化への対応として、環境対応製品の開発や、高付加価値製品へのシフトを進めています。
5. 技術革新と主力製品
発泡プラスチックに関する高度な技術を有しており、自動車部品や電子部品など、高付加価値製品の開発に注力しています。主力製品としては、自動車用部品、食品容器、工業用包装材などが挙げられます。
6. 株価の評価
- 株価: 357円（2025年2月14日終値）
- PER（会社予想）: 40.52倍（業界平均：20.4倍）
- PBR（実績）: 0.29倍（業界平均：1.1倍）
- EPS（会社予想）: 8.81円
- BPS（実績）: 1,218.31円
PERは業界平均よりも高く、割高感があります。PBRは低く、割安感があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、345円から358円の間で推移しており、50日移動平均線（351.88円）を下回っています。200日移動平均線（401.32円）からは大きく乖離しており、株価は低迷しているように見えます。年初来安値（339円）に接近しており、底値を探る展開となる可能性があります。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去12ヶ月で130,265百万円と、前期（124,683百万円）から増加しています。
- 営業利益: 過去12ヶ月で1,261百万円と、前期（793百万円）から増加しています。
- 当期純利益: 過去12ヶ月で1,083百万円と、前期（452百万円）から増加しています。
- ROE（実績）: 1.90%
- ROA（過去12か月）: 0.45%
- 自己資本比率（実績）: 38.3%
売上高、利益ともに増加傾向にありますが、ROE、ROAは低く、収益性の改善が課題です。自己資本比率は38.3%と、財務体質は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 3.64%
- 1株配当（会社予想）: 13.00円
- 配当性向: 233.81%
配当利回りは比較的高く、株主還元に積極的な姿勢を示しています。配当性向は233.81%と高く、利益水準に対して配当額が大きい状況です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は低迷しており、モメンタムは弱いです。信用買い残は減少傾向にあり、信用倍率は19.80倍と高い水準です。
11. 総評
積水化成品工業は、発泡プラスチック分野で高い競争力を持つ企業です。中期経営計画に基づき、収益性向上、環境対応製品の強化、海外展開などを進めています。
ポジティブな点:
- 安定した事業基盤
- 高い配当利回り
- 財務体質の安定性
ネガティブな点:
- PERが高く、割高感がある
- ROE、ROAが低い
- 株価が低迷している
総合的な見解:
現在の株価は、業績の低迷や市場の不透明感から、割安な水準にあると考えられます。今後の業績回復や、中期経営計画の進捗状況に注目していく必要があります。投資判断は、ご自身の責任において行ってください。
企業情報
| 銘柄コード | 4228 |
| 企業名 | 積水化成品工業 |
| URL | https://www.sekisuikasei.com/jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 化学 |
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