1. 企業情報
積水化成品工業株式会社（Sekisui Kasei Co., Ltd.）は、プラスチック製品の製造・販売を行う企業で、日本国内及び海外（アジア、アメリカ、中南米、ヨーロッパなど）で展開しています。主にヒューマンライフ分野とインダストリー分野に分かれ、農業や食品容器、建材、自動車部品など多様な用途に対応した製品を提供しています。1948年に設立され、2020年に社名を変更しました。
2. 業界のポジションと市場シェア
積水化成品工業は発泡プラスチック業界でのリーダーであり、特に自動車用部品や電子部品向けの高付加価値製品に強みを持っています。競争優位性としては、技術力と製品の多様性が挙げられますが、原材料価格の変動や競争の激化が課題となっています。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は「Spiral-up 2024」という中期経営計画を掲げ、収益体質の強化や環境・社会課題解決型事業への転換を目指しています。具体的には、製品の高付加価値化や新市場への進出を重点施策としています。
4. 事業モデルの持続可能性
積水化成品工業の収益モデルは、安定した需要を持つ発泡プラスチック製品に依存しています。市場ニーズの変化に対しては、新製品開発や環境対応製品の投入を通じて適応しています。
5. 技術革新と主力製品
技術開発においては、発泡樹脂素材や微粒子ポリマーの開発に注力しています。主力製品には、ESLENシリーズやINTERFOAMなどがあり、これらが収益の主要な牽引役となっています。
6. 株価の評価
現在の株価は357.0円で、PERは40.52倍、PBRは0.29倍です。業界平均PER（20.4倍）と比較すると高めであり、PBRは低めです。これにより、株価は成長期待が高いものの、実績に対して割高感があると考えられます。
7. テクニカル分析
直近の株価推移を見てみると、現在の株価は年初来高値523円から大きく下落しており、安値圏に位置しています。過去10日間の株価は357円で推移しており、ボラティリティは低い状況です。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 130,265百万円（過去12か月）
- 営業利益: 1,261百万円
- 純利益: 1,083百万円
- ROE: 1.90%
- 自己資本比率: 38.3%
過去数年の傾向として、売上は増加傾向にあるものの、利益面では変動が見られます。特に、2023年度は利益が大きく減少しています。
9. 株主還元と配当方針
配当利回りは3.64%で、1株あたり配当は13.00円（会社予想）です。配当性向は233.81%と高く、利益の大部分を配当に回している状況です。自社株買いの情報はありません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
株価は最近の数ヶ月で下落傾向にあり、特に年初来高値からの下落が顕著です。市場の関心は低下している可能性がありますが、業界全体の動向や企業の成長戦略次第で変わる可能性があります。
11. 総評
積水化成品工業は、発泡プラスチック業界での強いポジションを持ちながらも、利益面での課題を抱えています。中期経営計画に基づく戦略の実行が今後の業績にどのように影響するかが注目されます。株価は割高感があり、投資判断には慎重さが求められます。
企業情報
| 銘柄コード | 4228 |
| 企業名 | 積水化成品工業 |
| URL | https://www.sekisuikasei.com/jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 化学 |
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