1. 企業情報
日本碍子（NGK Insulators, Ltd.）は、碍子（がいし）で世界最大手の企業です。セラミック技術を基盤に、多角的な事業を展開しています。主な事業セグメントは、環境関連（排ガス浄化用ハニカムなど）、デジタル社会関連（HDD用圧電マイクロアクチュエーターなど）、エネルギー・産業関連（NAS電池、碍子など）です。森村グループに属し、BtoB向けの製品・サービスを多く提供しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
碍子分野で世界トップシェアを誇り、セラミック技術を活かした幅広い製品群が強みです。環境規制強化の流れを受け、排ガス浄化用ハニカムやNAS電池などの需要も期待できます。競合他社としては、セラミック関連製品を手掛ける企業が挙げられますが、日本碍子は長年の実績と技術力で優位性を保っています。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、セラミック技術を基盤とした事業の多角化を推進しています。具体的には、環境分野での製品開発（NAS電池など）、デジタル社会への対応（HDD用圧電マイクロアクチュエーターなど）、エネルギー・産業分野での既存製品の強化などが挙げられます。中期経営計画については、詳細な情報が不足しているため、今後の発表に注目する必要があります。
4. 事業モデルの持続可能性
セラミック技術は、様々な産業分野で不可欠な要素技術であり、長期的な需要が見込めます。環境規制の強化や、デジタル化の進展も、日本碍子の事業機会を拡大する要因となります。NAS電池などの新製品開発も、事業の持続可能性を高める要素です。
5. 技術革新と主力製品
日本碍子の技術力の源泉は、長年培ってきたセラミック技術です。主力製品としては、碍子、排ガス浄化用ハニカム、NAS電池、HDD用圧電マイクロアクチュエーターなどが挙げられます。特に、排ガス浄化用ハニカムは、自動車排ガス規制の強化に伴い、需要が拡大しています。NAS電池は、再生可能エネルギーの普及を支える蓄電池として、今後の成長が期待されます。
6. 株価の評価
- PER（会社予想）: 10.63倍（業界平均：18.3）
- PBR（実績）: 0.78倍（業界平均：1.4）
- EPS（会社予想）: 178.99円
- BPS（実績）: 2,448.32円
PER、PBRともに、業界平均と比較して割安な水準です。EPS、BPSも堅調であり、現在の株価は割安と判断できます。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、1900円前後で推移しており、200日移動平均線（1972.92）を下回っています。年初来高値（2188円）からは下落していますが、年初来安値（1602円）からは上昇しています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去5年間で増加傾向にあり、2024年3月期には5789億円を計上。
- 営業利益: 2024年3月期は663億円と、過去最高水準。
- 当期純利益: 2024年3月期は405億円。
- ROE（実績）: 6.10%
- ROA（過去12か月）: 4.36%
- 自己資本比率（実績）: 61.7%
売上高、利益ともに増加傾向にあり、財務体質は良好です。自己資本比率も高く、安定した経営基盤を持っています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 3.15%
- 1株配当（会社予想）: 60.00円
- 配当性向: 34.19%
- 自社株買い: 2024年7月29日の取締役会決議に基づき、自己株式5,000,000株を取得。2024年12月16日付で自己株式14,000,000株を消却。
配当利回りは3%を超えており、株主還元にも積極的な姿勢を示しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、やや軟調な展開となっています。信用買い残は増加傾向にあり、個人投資家の関心も高いと考えられます。業績発表や、今後の事業戦略に関する情報が、株価に影響を与える可能性があります。
11. 総評
日本碍子は、碍子分野で世界トップシェアを誇り、セラミック技術を活かした多角的な事業展開を行っています。財務状況は良好で、株主還元にも積極的です。現在の株価は割安な水準であり、今後の業績拡大や技術革新への期待から、投資妙味があると考えられます。ただし、世界経済の動向や、競合他社の動向など、注意すべき点もあります。
企業情報
| 銘柄コード | 5333 |
| 企業名 | 日本碍子 |
| URL | http://www.ngk.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 建設・資材 – ガラス・土石製品 |
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