1. 企業情報

リオンは、補聴器の草分け的存在であり、国内シェア首位を誇る企業です。音響・振動計測器、医用検査機器、微粒子計測器といった幅広い分野で事業を展開しています。特に、半導体製造プロセスで使用される液中微粒子計測器は世界でも高い競争力を持っています。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 業界内でのポジション: 補聴器分野で国内首位、聴力検査機器も強み。半導体関連の微粒子計測器でも高いシェアを誇り、安定した収益基盤を築いています。
  • 競争優位性: 長年の技術蓄積と、補聴器の系列店ネットワークによる強固な販売体制が強みです。半導体製造装置市場の成長も追い風となっています。
  • 課題: 補聴器市場は成熟しており、競合他社との差別化が重要です。また、海外市場での競争激化も課題となる可能性があります。

3. 経営戦略と重点分野

  • 経営ビジョン: 詳細なビジョンは公開情報から特定できませんでしたが、決算短信からは、各事業分野での成長戦略が読み取れます。
  • 中期経営計画:
    • 微粒子計測器事業: 生産能力増強による需要への対応。
    • 医療機器事業: 補聴器は新製品拡販、医用検査機器は医療機関への販売強化。
    • 環境機器事業: 新製品投入、海外市場での販売強化。
  • 重点分野: 半導体関連市場の需要を取り込む微粒子計測器事業、補聴器市場でのシェア維持・拡大、海外市場への展開が重点分野と考えられます。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル: 補聴器、計測器、医療機器の販売と、それらに付随するサービスが収益の柱です。安定した需要が見込める分野であり、技術革新による製品の高付加価値化も可能です。
  • 市場ニーズの変化への適応力: 高齢化社会の進展による補聴器需要の増加、半導体製造プロセスの高度化に伴う微粒子計測器の需要拡大など、市場ニーズの変化に対応できる事業ポートフォリオを持っています。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発の動向: 補聴器の小型化、高性能化、計測器の精度向上など、継続的な技術革新を行っています。
  • 主力製品: 補聴器、聴力検査機器、音響・振動計測器、半導体製造向け液中微粒子計測器などが収益を牽引しています。特に、微粒子計測器は成長著しい分野です。

6. 株価の評価

  • EPS(会社予想): 219.24円
  • PER(会社予想): 11.95倍
  • BPS(実績): 2,477.90円
  • PBR(実績): 1.06倍
  • 現在の株価: 2,624.0円
  • 割安性: PER、PBRともに業界平均を下回っており、割安感があります。EPS、BPSから見ても、現在の株価は割安と判断できます。

7. テクニカル分析

  • 株価推移: 直近10日間の株価は上昇傾向にあり、2月6日には年初来高値の2700円を記録しています。
  • 移動平均線: 50日移動平均線(2586.20円)と200日移動平均線(2533.49円)を上回っており、上昇トレンドを示唆しています。
  • 現在の株価: 高値圏に位置していると考えられますが、上昇トレンドが継続しているため、さらなる上昇も期待できます。

8. 財務諸表分析

  • 売上高: 過去5年間で増加傾向にあり、2024年3月期には238.68億円を計上しています。
  • 利益: 営業利益、経常利益、当期純利益も増加傾向にあり、収益性の向上が見られます。
  • キャッシュフロー: 詳細なキャッシュフロー計算書は入手できませんでしたが、自己資本比率78.7%と財務体質は良好です。
  • ROE: 9.50%と、まずまずの水準です。
  • ROA: 6.60%と、こちらも安定した水準です。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(会社予想): 2.67%
  • 1株配当(会社予想): 70.00円
  • 配当性向: 24.37%
  • 株主還元策: 安定した配当を実施しており、増配の可能性もあります。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 株価の変動傾向: 直近では上昇基調にあり、好調な業績と市場の期待が反映されていると考えられます。
  • 株価への影響を与える要因: 好調な業績、半導体関連市場の成長、新製品の投入、海外市場での展開などが株価を押し上げる要因となります。一方、景気後退、競合激化、為替変動などがリスク要因となります。
  • 信用取引: 信用買残が増加傾向にあり、投資家の関心が高いことが伺えます。

11. 総評

リオンは、補聴器、計測器、医療機器分野で安定した収益基盤を持つ企業です。特に、半導体関連の微粒子計測器事業の成長が著しく、今後の業績拡大に期待できます。財務体質も良好で、株主還元にも積極的です。株価は割安感があり、テクニカル的にも上昇トレンドにあるため、投資妙味のある銘柄と言えるでしょう。ただし、景気変動や競合激化などのリスク要因にも注意が必要です。


企業情報

銘柄コード 6823
企業名 リオン
URL http://www.rion.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 電機・精密 – 電気機器

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