1. 企業情報
東鉄工業は、鉄道の線路保守、土木、建築、環境事業を展開するゼネコンです。特に、JR東日本関連の工事を多く手掛けており、安定した収益基盤を持っています。近年は環境事業にも注力し、事業の多角化を図っています。DOE（株主資本配当率）3%以上、累進配当を基本方針としています。
2. 業界のポジションと市場シェア
鉄道インフラ分野に強みを持ち、特にJR東日本との関係が深いことから、安定した需要が見込めます。建設業界全体としては、人手不足や資材価格の高騰といった課題がありますが、東鉄工業は鉄道という専門性の高い分野に特化しているため、他社との差別化を図りやすいと考えられます。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、鉄道インフラ分野での強みを活かしつつ、環境事業など新たな分野への進出を進めています。中期経営計画などの具体的な情報は開示されていませんが、決算短信などから、既存事業の強化と新規事業への投資をバランス良く行っていると推測できます。DOE3%以上、累進配当を基本方針としており、株主還元にも積極的です。
4. 事業モデルの持続可能性
鉄道インフラは社会にとって不可欠であり、老朽化対策や新線建設など、継続的な需要が見込めます。東鉄工業は、鉄道という専門性の高い分野に特化しているため、市場ニーズの変化にも対応しやすいと考えられます。また、環境事業への取り組みは、社会的な要請に応えるものであり、新たな収益源となる可能性があります。
5. 技術革新と主力製品
線路の維持補修や新線建設など、鉄道インフラに関する技術力を強みとしています。具体的な技術革新に関する情報は限られていますが、安全性の向上や効率化を図る技術開発は、競争優位性を高める上で重要です。収益を牽引しているのは、鉄道関連の土木・建築工事であり、安定した需要が見込めます。
6. 株価の評価
- 株価: 3,085.0円（2025年2月17日終値）
- EPS（会社予想）: 290.44円
- PER（会社予想）: 10.62倍
- BPS（実績）: 3,304.47円
- PBR（実績）: 0.93倍
PERは10倍台であり、業界平均（14.0倍）と比較して割安感があります。PBRも1倍を下回っており、割安と判断できます。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、3,085円から3,235円の間で変動しており、2月17日は年初来高値3,495円から下落して3,085円で取引を終えています。50日移動平均線（3,211.20円）と200日移動平均線（3,219.29円）を下回っており、短期的には下落トレンドにあると見られます。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去1年間で141,845百万円と、前期比で増加しています。
- 営業利益: 過去1年間で11,751百万円と、増益傾向にあります。
- 自己資本比率: 65.7%と、財務体質は良好です。
- ROE: 7.80%と、まずまずの水準です。
過去数年間の財務データから、売上高、利益ともに増加傾向にあり、業績は堅調に推移していると判断できます。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 3.24%
- 1株配当（会社予想）: 100.00円
- 配当性向: 33.34%
配当利回りは3%を超えており、株主還元に積極的な姿勢を示しています。DOE3%以上、累進配当を基本方針としており、安定した配当が期待できます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は下落傾向にあり、モメンタムは弱いです。信用買残は増加傾向にあり、個人投資家の関心は高まっている可能性があります。2025年3月28日が配当権利付き最終日であり、今後の株価変動に影響を与える可能性があります。
11. 総評
東鉄工業は、鉄道インフラ分野に強みを持つ安定的な企業です。財務状況は良好で、株主還元にも積極的です。株価は割安感があり、配当利回りも魅力的です。ただし、直近の株価は下落傾向にあり、今後の動向を注視する必要があります。鉄道インフラという安定した需要が見込める分野に特化している点は、長期的な投資魅力につながると考えられます。
企業情報
| 銘柄コード | 1835 |
| 企業名 | 東鉄工業 |
| URL | https://www.totetsu.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 建設業 |
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