1. 企業情報
日本農薬は、農薬を主力とする化学メーカーです。殺菌剤、殺虫剤、除草剤などの農薬製品を国内外で製造・販売しています。自社開発品の比率が高く、ブラジルやインドなどの新興国での事業拡大も進めています。医薬品原料の製造も手掛けています。
2. 業界のポジションと市場シェア
農薬業界は、世界的に見ると大手多国籍企業が市場を寡占しています。日本農薬は、国内農薬市場において一定のシェアを占めていますが、グローバル市場では競争が激しい状況です。自社開発品の強みを活かし、新興国市場での成長を目指しています。
競争優位性:
- 自社開発品の高い技術力
- 新興国市場への積極的な展開
課題:
- グローバル大手との競争
- 為替変動や原材料価格の変動リスク
3. 経営戦略と重点分野
日本農薬は、中期経営計画「Growing Global for Sustainability (GGS)」に基づき、事業戦略を推進しています。
重点分野:
- 主力自社開発品目の普及拡販
- 新興国市場での事業拡大
- 農薬以外の化学品事業の強化（シロアリ薬剤分野など）
- 病害虫雑草診断アプリ事業化
4. 事業モデルの持続可能性
日本農薬の収益モデルは、農薬製品の販売が中心です。農薬は、食料生産に不可欠な製品であり、安定した需要が見込めます。
持続可能性への適応力:
- 自社開発品の強化による競争力維持
- 新興国市場への展開による成長機会の創出
- 病害虫雑草診断アプリなど、新たな事業への取り組み
5. 技術革新と主力製品
日本農薬は、自社開発品の農薬に強みを持っています。
主力製品:
- 殺菌剤、殺虫剤、除草剤などの農薬製品
- シロアリ薬剤
6. 株価の評価
- 株価: 767.0円（2025年2月18日終値）
- EPS（会社予想）: 61.20円
- PER（会社予想）: 12.53倍（業界平均：20.4倍）
- BPS（実績）: 1,007.95円
- PBR（実績）: 0.76倍（業界平均：1.1倍）
PER、PBRともに業界平均を下回っており、割安感があります。
7. テクニカル分析
- 直近の株価推移:
- 2025年2月18日の終値は767円。
- 年初来高値は834円、年初来安値は576円。
- 直近10日間の株価は、750円～803円の範囲で変動。
- 50日移動平均線は713.54円、200日移動平均線は690.11円。
- 判断:
- 直近の株価は、年初来高値からは下落していますが、50日、200日移動平均線を上回っており、底堅い動きを見せています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2024年3月期は1020.9億円、2025年3月期は1030.33億円と、微増傾向。
- 営業利益: 2024年3月期は87.39億円、2025年3月期は74.38億円と、減少傾向。
- 経常利益: 2024年3月期は77.38億円、2025年3月期は58.58億円と、減少傾向。
- 当期純利益: 2024年3月期は44.88億円、2025年3月期は47.77億円と、増加傾向。
- ROE（実績）: 7.15%
- ROA（過去12か月）: 3.64%
- 自己資本比率（実績）: 49.4%
売上高は安定していますが、営業利益、経常利益は減少傾向にあります。当期純利益は増加しており、収益性の改善が見られます。自己資本比率は高く、財務体質は良好です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 2.61%
- 1株配当（会社予想）: 20.00円
- 配当性向: 31.70%
- 株主還元策: 配当を重視する方針です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近の株価変動:
- 2025年2月18日の終値は767円。
- 2025年2月17日の終値788円から下落。
- 株価への影響要因:
- 農薬市場の動向
- 新興国市場での事業展開
- 為替変動や原材料価格の変動
- 決算発表
11. 総評
日本農薬は、自社開発品の農薬に強みを持つ企業です。新興国市場での成長を目指しており、今後の事業展開に注目が集まります。
財務状況は安定しており、配当も実施しています。
テクニカル面では、直近の株価は底堅い動きを見せています。
ただし、農薬市場の競争激化や、為替変動などのリスク要因も存在します。
企業情報
| 銘柄コード | 4997 |
| 企業名 | 日本農薬 |
| URL | http://www.nichino.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 化学 |
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