1. 企業情報
ベルグアースは、接ぎ木苗を主力とする農業関連企業です。主に野菜苗の生産・販売を手掛け、国内トップシェアを誇ります。農協やホームセンターを通じて販売しており、花き苗や家庭園芸向けの製品も展開しています。近年は、閉鎖型施設や海外市場（中韓など）への進出も目指しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
ベルグアースは、接ぎ木苗の分野で国内首位の地位を確立しています。野菜苗市場は、安定的な需要が見込まれるものの、競合他社との競争も激化しています。同社は、高品質な苗の提供と、多様な品種開発、生産効率の向上を通じて、競争優位性を維持しようとしています。
3. 経営戦略と重点分野
ベルグアースは、中期経営計画において、主力事業である苗事業の安定的な生産・販売体制の再構築、事業インフラの強化、新規植物ワクチンの開発、オリジナル品種の開発を重点分野としています。具体的には、価格戦略の見直し、スイカ苗の販売強化、宮崎ひなたファームとの連携、オリジナル培土や種子の販売推進、店舗のリニューアルなどを進めています。
4. 事業モデルの持続可能性
ベルグアースの収益モデルは、野菜苗の安定的な需要に支えられています。気候変動や生産者の高齢化といった課題はあるものの、接ぎ木苗の技術力と、多様なニーズへの対応力は、事業の持続可能性を高める要因となっています。また、新規植物ワクチンの開発や海外展開も、新たな収益源となる可能性があります。
5. 技術革新と主力製品
ベルグアースは、接ぎ木技術を核とした技術開発を進めています。主力製品は、接ぎ木したトマト、キュウリ、ナスなどの野菜苗です。また、花き苗や家庭園芸向けの製品も展開しており、多様な顧客ニーズに対応しています。新規植物ワクチンの開発も、今後の成長を牽引する可能性があります。
6. 株価の評価
- 株価: 3,155円 (2025年2月19日終値)
- PER (会社予想): 33.60倍
- PBR (実績): 2.44倍
- EPS (会社予想): 93.91円
- BPS (実績): 1,293.88円
PERは業界平均（17.7倍）を上回っており、割高感があります。PBRも業界平均（1.1倍）を上回っています。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、3,150円～3,255円の範囲で推移しており、2月19日は3,155円で取引を終えています。年初来高値（3,465円）からは下落していますが、年初来安値（2,761円）からは上昇しています。50日移動平均線（3,203円）を下回っており、短期的には調整局面にある可能性があります。
8. 財務諸表分析
| 指標 | 過去12ヶ月 | 2023年10月期 | 2022年10月期 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 7,094百万円 | 7,061百万円 | 6,394百万円 |
| 営業利益 | 22百万円 | 77百万円 | -59百万円 |
| 当期純利益 | 39百万円 | 78百万円 | 202百万円 |
| ROE | 2.05% | – | – |
| ROA | 0.24% | – | – |
| 自己資本比率 | 36.4% | – | – |
売上高は増加傾向にありますが、営業利益、当期純利益は減少しています。これは、原材料費や労務費の上昇、猛暑による苗の生育状況への影響などが要因と考えられます。自己資本比率は36.4%と、財務体質は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り (会社予想): 0.32%
- 1株配当 (会社予想): 10.00円
- 配当性向: 40.00% (予想)
配当利回りは低く、株主還元は積極的ではありません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、やや下落傾向にあります。信用買残は減少、信用売残はゼロであり、需給は均衡していると考えられます。
11. 総評
ベルグアースは、接ぎ木苗で国内トップシェアを誇る企業であり、安定した需要が見込まれます。しかし、原材料費や労務費の上昇、気候変動などの影響を受けやすく、業績は変動する可能性があります。株価は、PER、PBRともに割高感があり、配当利回りも低いことから、今後の業績動向を注視する必要があります。中期経営計画における新規植物ワクチンの開発や海外展開が、今後の成長を左右する可能性があります。
企業情報
| 銘柄コード | 1383 |
| 企業名 | ベルグアース |
| URL | http://www.bergearth.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 食品 – 水産・農林業 |
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