1. 企業情報
ナイスは、住宅関連の資材販売と住宅建設販売を両輪とする企業です。木材市場で最大手の地位を占め、国産木材に注力しています。建材と戸建て・免震マンションを主力としており、森林も多数保有しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
ナイスは木材市場において最大手であり、業界内での競争優位性を持っています。住宅資材の販売と住宅建設販売という2つの事業を組み合わせることで、事業の安定性を高めています。課題としては、建築業界全体の景気変動や、木材価格の変動リスクが挙げられます。
3. 経営戦略と重点分野
ナイスの経営戦略は、住宅資材と住宅建設販売の事業基盤を強化し、持続的な成長を目指すものと考えられます。中期経営計画などの具体的な情報は開示されていませんが、国産木材の利用促進や、高付加価値商品の開発などが重点分野として考えられます。
4. 事業モデルの持続可能性
ナイスの事業モデルは、住宅需要に依存するため、景気変動の影響を受けやすい側面があります。しかし、木材市場における強固な地位や、住宅資材と住宅建設販売の組み合わせにより、リスクを分散しています。市場ニーズの変化への適応としては、高付加価値商品の開発や、省エネ性能の高い住宅への対応などが重要となります。
5. 技術革新と主力製品
ナイスは、木材加工技術や、住宅建設における技術革新に取り組んでいる可能性があります。主力製品としては、木材製品、建築資材、戸建て住宅、免震マンションなどが挙げられます。
6. 株価の評価
- PER (会社予想): 5.63倍
- PBR (実績): 0.34倍
- EPS (会社予想): 270.39円
- BPS (実績): 4,482.26円
PERは業界平均10.1を下回っており、割安感があります。PBRも業界平均0.7を下回っており、割安な水準です。EPSとBPSから、企業の収益性と資産価値が評価できます。現在の株価1,521円と比較して、割安な水準にあると考えられます。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2025年2月6日に1,444円まで下落した後、1,500円台で推移しています。200日移動平均線は1,752.52円であり、現在の株価はこれを大きく下回っています。年初来高値2,048円、年初来安値1,412円であり、直近では安値圏から上昇傾向にあると判断できます。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去12ヶ月で225,869百万円。2024年3月期は236,329百万円、2023年3月期は229,514百万円と、前期比で減少しています。
- 営業利益: 過去12ヶ月で4,404百万円。2024年3月期は5,292百万円、2023年3月期は10,224百万円と、前期比で減少しています。
- 当期純利益: 過去12ヶ月で4,204百万円。2024年3月期は3,780百万円、2023年3月期は4,482百万円と、前期比で減少しています。
- ROE (実績): 8.33%
- ROA (過去12か月): 1.78%
- 自己資本比率 (実績): 32.8%
売上高は減少傾向にあり、利益も減少しています。ROEは8.33%と、一定の収益性を示しています。自己資本比率は32.8%と、財務基盤は安定していると考えられます。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 4.27%
- 1株配当（会社予想）: 65.00円
- 配当性向: 42.81%
- 自社株買い: 実施の有無は不明
配当利回りは4.27%と、比較的高水準です。配当性向も42.81%と、安定した配当が期待できます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、2025年2月13日に1,537円まで上昇した後、1,500円台で推移しています。出来高は、直近10日間で平均6,900株と、比較的少ない状況です。信用倍率は33.25倍と、買われすぎの状況です。株価への影響を与える要因としては、住宅需要の動向、木材価格の変動、決算発表などが挙げられます。
11. 総評
ナイスは、木材市場における強固な地位と、安定した財務基盤を持つ企業です。現在の株価は割安な水準にあり、高い配当利回りも魅力です。ただし、業績はやや低迷しており、今後の住宅需要の動向や、木材価格の変動に注意が必要です。投資判断にあたっては、これらのリスク要因を考慮し、ご自身の投資判断に基づいて行うようにしてください。
企業情報
| 銘柄コード | 8089 |
| 企業名 | ナイス |
| URL | https://www.nice.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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