1. 企業情報
エイケン工業は、自動車用フィルター（オイル、エア、燃料、エアコンなど）を主力とする企業です。補修用（リプレイスメント）市場に強く、全メーカーに対応できる点が特徴です。燃焼機器部品も手掛けています。国内が中心ですが、東南アジアへの輸出も強化しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
自動車用フィルター市場は競争が激しいですが、エイケン工業は補修用市場での強みと、全メーカー対応という特徴で一定のシェアを確保しています。燃焼機器部品はニッチな分野ですが、安定した需要が見込めます。
課題: 自動車業界の技術革新（EVシフトなど）や、競合他社との競争激化に対応していく必要があります。
3. 経営戦略と重点分野
経営ビジョン: 決算短信からは明確なビジョンは読み取れませんが、増収増益を目指し、フィルター部門の拡販と燃焼機器部門の立て直しを図っています。
中期経営計画: 2024年10月期の決算短信によると、以下の施策が重点分野として挙げられています。
* フィルター部門: 国内では大型車用フィルター、高性能オイルフィルター、建設機械用フィルター等の拡販、輸出では主要輸出先との連携強化、新規顧客開拓。
* 燃焼機器部門: 新規バーナの開発、バーナ部品及び熱交換器の拡販。
4. 事業モデルの持続可能性
補修用フィルター市場は、自動車の保有台数に依存するため、安定した需要が見込めます。EVシフトが進む中で、内燃機関用フィルターの需要は減少する可能性がありますが、EV用フィルターや、燃焼機器部品への注力で対応していく必要があります。
5. 技術革新と主力製品
技術開発: 決算短信からは具体的な技術開発の動向は読み取れません。しかし、高性能オイルフィルターの開発や、EV関連のフィルター開発など、市場ニーズに合わせた技術開発が重要になります。
主力製品: 自動車用フィルター（特に補修用）が収益の柱です。
6. 株価の評価
- 株価: 3,225.0円
- EPS（会社予想）: 285.57円
- PER（会社予想）: 11.29倍
- BPS（実績）: 5,695.27円
- PBR（実績）: 0.57倍
PERは業界平均（7.3倍）と比較してやや高めですが、PBRは低く、割安感があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、3,100円～3,235円の範囲で推移しており、2月21日は3,225円で取引を終えています。年初来高値（3,990円）からは下落していますが、50日移動平均線（3,079.68円）を上回っており、底堅さも見られます。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去5年間で安定的に推移しています。2024年10月期は増収増益を達成しています。
- 利益: 2024年10月期は、営業利益、経常利益、当期純利益が大幅に増加しています。
- ROE（実績）: 3.78%
- ROA（過去12か月）: 2.59%
- 自己資本比率（実績）: 78.1%
自己資本比率が高く、財務体質は良好です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 3.41%
- 1株配当（会社予想）: 110.00円
- 配当性向: 51.36%
- 自社株買い: 過去のデータからは確認できません。
安定した配当を実施しており、配当利回りも魅力的です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、上昇傾向にあります。決算発表後の業績好調が、株価を押し上げている可能性があります。
株価への影響要因:
- 業績（売上高、利益）
- 自動車業界の動向（EVシフトなど）
- 原材料価格の変動
- 為替レートの変動
11. 総評
エイケン工業は、自動車用フィルターの補修市場で安定した収益基盤を持つ企業です。2024年10月期は増収増益を達成し、業績は好調です。財務体質も良好で、株主還元にも積極的です。EVシフトなど、自動車業界の変化に対応していくことが今後の課題です。
現時点では、割安感があり、配当利回りも魅力的なため、中長期的な視点での投資を検討する価値があると考えられます。ただし、自動車業界の動向や、競合他社の動向を注視する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 7265 |
| 企業名 | エイケン工業 |
| URL | http://www.eiken-kk.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 自動車・輸送機 – 輸送用機器 |
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