1. 企業情報
淺沼組は、1892年創業の関西地盤とする準大手ゼネコンです。学校や官公庁の建築工事に強みを持ち、全国展開しています。リニューアル事業にも積極的に取り組んでいます。事業は建築、土木、その他に分かれており、建築が売上の大部分を占めています。
2. 業界のポジションと市場シェア
ゼネコン業界は競争が激しく、大手企業が大きなシェアを占めています。淺沼組は中堅ゼネコンとして、特定の分野や地域に強みを持つことで差別化を図っています。官公庁案件への実績は、安定した収益基盤を支える要因の一つです。
3. 経営戦略と重点分野
淺沼組は、「中期3ヵ年計画(2024~2026年度)」を策定し、ガバナンス強化、国内コア事業の強化などを重点分野としています。
4. 事業モデルの持続可能性
公共事業への依存度が高く、景気や政策の影響を受けやすい側面があります。リニューアル事業への注力は、安定的な収益確保に繋がる可能性があります。
5. 技術革新と主力製品
技術革新に関する具体的な情報は開示されていません。
6. 株価の評価
- 株価: 673.0円（2025年2月25日終値）
- PER（会社予想）: 13.50倍
- PBR（実績）: 1.23倍
- EPS（会社予想）: 49.87円
- BPS（実績）: 548.91円
PERは業界平均（14.0倍）を下回っており、割安感がある可能性があります。PBRは1倍を超えており、純資産に対してある程度の評価を受けていると考えられます。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、670円～689円の範囲で推移しており、やや上昇傾向にあります。年初来高値888円、年初来安値590円と比較すると、現在は年初来安値から上昇し、年初来高値からは下落した位置にあります。200日移動平均線は688.74円であり、株価はこれを下回っています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去12ヶ月で152,676百万円と、前年同期比で増加しています。
- 営業利益: 過去12ヶ月で4,058百万円と、前年同期比で減少しています。
- 当期純利益: 過去12ヶ月で4,670百万円と、前年同期比で増加しています。
- ROE: 10.19%
- ROA: 4.28%
- 自己資本比率: 47.0%
売上高は増加傾向にあるものの、営業利益は減少している点は注意が必要です。ROEは10%を超えており、資本効率はまずまずです。自己資本比率は47.0%と、財務基盤は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 5.20%
- 1株配当（会社予想）: 35.00円
- 配当性向: 82.69%
高い配当利回りは魅力的ですが、配当性向が高い点は今後の業績によっては減配のリスクがあることを示唆しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は上昇傾向にあり、出来高も増加しています。信用買い残が多く、今後の株価変動に注意が必要です。
11. 総評
淺沼組は、関西地盤の中堅ゼネコンとして、安定した官公庁案件の実績と高い配当利回りが魅力です。財務基盤も安定しており、PERも割安感があります。一方、営業利益の減少、公共事業への依存度が高い点、高い配当性向はリスク要因として考慮する必要があります。今後の業績動向と、中期経営計画の進捗状況を注視していくことが重要です。
企業情報
| 銘柄コード | 1852 |
| 企業名 | 淺沼組 |
| URL | http://www.asanuma.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 建設業 |
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