1. 企業情報
ヤマシンフィルタ株式会社は、フィルタ製品の製造・販売を行う企業で、特に建設機械向けの油圧フィルタで世界トップシェアを誇ります。製品は建設機械や農業機械の他、産業用機械や精密機械向けのフィルタ、ナノフィルタ製品など多岐にわたります。また、医療用マスクやその交換用インナーシートも提供しています。日本をはじめ、アメリカ、ヨーロッパ、中国、アジアで事業を展開しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
ヤマシンフィルタは建設機械の油圧回路に用いるフィルタで世界首位の地位を確立しています。産業用、医療用などの開発力に強みを持ち、特に建機用フィルタ事業では高い競争優位性を持っています。一方で、エアフィルタ事業では、ビル空調用フィルタの交換需要の減少が課題となっています。
3. 経営戦略と重点分野
ヤマシンフィルタは中期経営計画「Fly to the next stage!」を掲げ、新たな価値創造、資本コストを意識した経営の強化、ESG経営の推進に取り組んでいます。特に建機用フィルタ事業では補給品売上高の増加と販売価格の改善を進め、エアフィルタ事業ではナノファイバー製エアフィルタの供給を開始しています。
4. 事業モデルの持続可能性
収益モデルは建機用フィルタの交換需要に依存しており、これが増加することで増収増益を達成しています。一方で、エアフィルタ事業では交換需要の減少が収益に影響を与えています。市場ニーズの変化に対する適応力が今後の持続可能性に重要です。
5. 技術革新と主力製品
ヤマシンフィルタはナノフィルタ技術を活用した製品開発を進めており、医療用マスクなどの新製品も投入しています。建機用フィルタが収益を牽引しており、特に油圧フィルタでの技術力が強みです。
6. 株価の評価
- EPS（会社予想）: 21.34円
- BPS（実績）: 312.96円
- PER（会社予想）: 28.44倍
- PBR（実績）: 1.94倍
業界平均と比較すると、PERは高めですが、PBRはやや高い水準です。
7. テクニカル分析
直近の株価は607円で、年初来高値の705円に対して低めの水準にあります。50日移動平均の631.26円を下回っており、短期的にはやや弱含みの状態です。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 18,540,006千円（過去12か月）
- 営業利益: 1,897,846千円（過去12か月）
- 純利益: 1,152,770千円（過去12か月）
- ROE（実績）: 3.72%
- 自己資本比率（実績）: 82.1%
売上高は安定しており、営業利益も増加傾向にありますが、ROEは低めです。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 1.98%
- 1株配当（会社予想）: 12.00円
- 配当性向: 39.68%
配当利回りは市場平均と同程度で、配当性向も健全な水準です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
最近の株価は下降傾向にあり、信用買残も減少しています。市場全体の動向や業績見通しが株価に影響を与えています。
11. 総評
ヤマシンフィルタは建機用フィルタでの強みを活かし、収益を安定的に確保しています。技術革新による新製品の投入や中期経営計画に基づく戦略が今後の成長を支えるでしょう。一方で、エアフィルタ事業の課題やROEの低さが改善点として挙げられます。株価は短期的に弱含みですが、長期的な成長戦略に注目が集まります。
企業情報
| 銘柄コード | 6240 |
| 企業名 | ヤマシンフィルタ |
| URL | http://www.yamashin-filter.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 機械 – 機械 |
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