1. 企業情報
オルガノは、水処理エンジニアリングを主力とする企業です。純水製造装置（半導体製造向けなど）や超純水システム、排水処理設備などを提供しています。東ソーを主要株主とし、電力、半導体関連分野に強みを持っています。水処理薬品も手掛けており、台湾半導体市場での存在感も高めています。
2. 業界のポジションと市場シェア
水処理エンジニアリング業界において、オルガノは技術力と実績を強みとし、特に半導体製造分野で高い競争力を持っています。同社の強みは、高度な水処理技術と、顧客ニーズに合わせたソリューション提供能力です。課題としては、特定の業界への依存度が高く、市場変動の影響を受けやすい点が挙げられます。
3. 経営戦略と重点分野
オルガノは、電子産業分野（特に半導体）向けの水処理エンジニアリング事業を重点分野としています。具体的には、大型案件の受注、ソリューション案件の拡大、水処理薬品や機能材の販売拡大を推進しています。中期経営計画の詳細は開示されていませんが、直近の決算短信からは、電子産業分野の需要を取り込み、収益拡大を図る戦略が伺えます。
4. 事業モデルの持続可能性
オルガノの収益モデルは、水処理設備の設計・製造・販売、水処理薬品の販売、メンテナンスサービスなど多岐にわたります。半導体製造分野の成長は、同社の事業拡大に大きく貢献する可能性があります。市場ニーズの変化への適応力としては、顧客の多様なニーズに対応できる技術力と、ソリューション提供能力が重要となります。
5. 技術革新と主力製品
オルガノは、純水製造技術、排水処理技術、水処理薬品など、幅広い分野で技術開発を行っています。主力製品は、半導体製造プロセスで使用される超純水システムです。また、水処理薬品も重要な収益源となっています。技術革新としては、省エネルギー化や環境負荷低減に貢献する技術開発が重要です。
6. 株価の評価
- 株価: 7,020円
- EPS（会社予想）: 500.34円
- PER（会社予想）: 14.03倍 (業界平均: 16.6倍)
- BPS（実績）: 2,380.33円
- PBR（実績）: 2.95倍 (業界平均: 1.4倍)
PERは業界平均を下回っており、割安感があります。PBRは業界平均を上回っています。EPS、BPSは堅調に推移しており、企業の成長性を示唆しています。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、7,000円前後で推移しており、2月20日には7,410円の高値を付けています。年初来高値は9,400円、年初来安値は5,520円であり、現在の株価は年初来高値からは下落していますが、安値からは上昇しています。50日移動平均線は8,037.80円、200日移動平均線は7,738.10円であり、株価は両移動平均線を下回っています。
8. 財務諸表分析
過去5年間の売上高は増加傾向にあり、2024年3月期には1324億円、2025年3月期（予想）には1675億円と大幅な増収を見込んでいます。営業利益、経常利益、当期純利益も同様に増加傾向にあり、収益性の向上が見られます。ROEは20.62%と高く、効率的な資本運用が行われています。自己資本比率は59.1%と高く、財務基盤は安定しています。
| 項目 | 2024年3月期 | 2023年3月期 | 2022年3月期 | 2021年3月期 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 (百万円) | 150,356 | 132,426 | 112,069 | 100,638 |
| 営業利益 (百万円) | 22,544 | 15,213 | 10,850 | 9,580 |
| 当期純利益 (百万円) | 17,310 | 11,730 | 9,210 | 7,074 |
| ROE (%) | 18.41 | – | – | – |
| 自己資本比率 (%) | 55.8 | – | – | – |
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 2.02%
- 1株配当（会社予想）: 142.00円
- 配当性向: 28.85%
オルガノは、安定的な配当を重視する方針を示しています。配当利回りは2%を超えており、魅力的な水準です。自社株買いに関する情報は開示されていません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、2月20日に高値をつけた後、やや調整局面に入っています。信用買い残は依然として多く、今後の株価動向に注目が必要です。株価への影響を与える要因としては、半導体市場の動向、為替変動、原材料価格の上昇などが挙げられます。
11. 総評
オルガノは、水処理エンジニアリング分野で高い技術力と競争力を持つ企業です。特に半導体関連分野での需要を取り込み、業績を拡大しています。財務状況も良好で、株主還元にも積極的です。株価はPERで割安感があり、今後の成長余地も期待できます。ただし、半導体市場の動向や、特定分野への依存度が高い点には注意が必要です。
企業情報
| 銘柄コード | 6368 |
| 企業名 | オルガノ |
| URL | http://www.organo.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 機械 – 機械 |
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