1. 企業情報
日本化学工業は、1893年創業の無機薬品メーカーです。リン製品、クロム塩などの無機化学品で高い市場シェアを有しています。近年は、電子セラミック材料や電池材料などの機能性製品の強化に注力しています。事業は、化学品、機能品、賃貸事業など多岐にわたります。
2. 業界のポジションと市場シェア
無機化学品分野で高い競争力を持っています。特に、リン製品やクロム塩などの分野では、国内トップクラスのシェアを誇ります。機能性材料分野への注力により、成長市場への対応を図っています。
課題:
- 市況変動の影響を受けやすい。
- 原料価格の高騰リスク。
3. 経営戦略と重点分野
経営ビジョン:
- 中期経営計画において、サステナビリティ経営を基盤に、「事業拡大と体質強化」「グローバル化の推進」「新たな価値の創造」を重点施策としています。
中期経営計画の重点分野:
- 機能性材料分野の強化（電子セラミック材料、電池材料など）
- グローバル展開の加速
4. 事業モデルの持続可能性
収益モデル:
- 無機化学品を基盤としつつ、高付加価値の機能性材料へとシフトすることで、収益性の向上を目指しています。
- 顧客ニーズの変化に対応するため、技術開発と製品ラインナップの拡充を図っています。
市場ニーズへの適応力:
- 環境規制強化や技術革新に対応した製品開発を進めています。
- 電池材料など、成長分野への投資を強化しています。
5. 技術革新と主力製品
技術開発の動向:
- 電子セラミック材料、電池材料、半導体材料などの機能性材料分野での技術開発を推進しています。
主力製品:
- クロム化合物、リン化合物、シリカ製品などの無機化学品
- 電子セラミック材料、電池材料、農薬中間体などの機能性材料
6. 株価の評価
現在の株価: 2,289円
主な指標:
- PER（会社予想）：7.77倍（業界平均：20.4倍）
- PBR（実績）：0.44倍（業界平均：1.1倍）
- EPS（会社予想）：294.62円
- BPS（実績）：5,245.11円
株価評価:
- PER、PBRともに業界平均と比較して低く、割安感があります。
- EPSとBPSから、企業の収益性と資産の裏付けが確認できます。
7. テクニカル分析
株価推移:
- 直近10日間の株価は、2,280円から2,470円の範囲で変動しています。
- 200日移動平均線は2538.62円、50日移動平均線は2346.32円です。
- 年初来高値は3,010円、年初来安値は1,737円です。
- 直近では下落傾向にあり、2,289円は50日移動平均線を下回っています。
現在の株価:
- 高値圏からは下落していますが、年初来安値からは上昇しています。
- テクニカル指標からは、やや弱気なシグナルが出ています。
8. 財務諸表分析
売上高:
- 2024年3月期：385億3800万円
- 2023年3月期：380億7500万円
- 2022年3月期：372億7500万円
- 増収傾向にあります。
利益:
- 営業利益は、2024年3月期に22億6400万円と、前期から大きく増加しています。
- 経常利益、当期純利益も同様に増加傾向です。
キャッシュフロー:
- 詳細なデータは不足しています。
ROE:
- 2024年3月期：3.64%
ROA:
- 過去12か月：3.21%
財務状況:
- 自己資本比率は58.9%と高く、財務基盤は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
配当利回り（会社予想）: 4.02%
1株配当（会社予想）: 92.00円
配当性向: 27.35%
株主還元策:
- 安定的な配当を重視しています。
- 自社株買いの実施に関する情報は開示されていません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
株価の変動傾向:
- 直近では下落傾向にあります。
株価への影響を与える要因:
- 世界経済の動向
- 原材料価格の変動
- 機能性材料市場の成長
- 為替レートの変動
11. 総評
日本化学工業は、無機化学品を基盤とし、機能性材料分野への展開を進める企業です。財務状況は安定しており、配当利回りも魅力的です。
直近の株価は下落傾向にありますが、PERやPBRは割安な水準にあります。
今後の成長には、機能性材料分野での技術革新と市場開拓が重要となります。
企業情報
| 銘柄コード | 4092 |
| 企業名 | 日本化学工業 |
| URL | http://www.nippon-chem.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 化学 |
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