1. 企業情報
中央自動車工業は、自動車部品・用品の卸売を主軸とする企業です。具体的には、エンジン部品、シャーシ部品、電装部品、ケミカル用品、エアコン部品など、幅広い自動車補修部品や用品を国内外に販売しています。また、自動車の処分事業も手掛けています。自社企画の自動車用品の販売や、自動車補修部品の輸出も行っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
中央自動車工業は、自動車部品・用品の卸売業界に位置しています。業界内での具体的な市場シェアは公開されていませんが、自動車部品の卸売というニッチな市場で、長年の実績と安定した財務基盤を強みとしています。競争優位性としては、幅広い商品ラインナップ、国内外のネットワーク、そして好調な財務状況が挙げられます。課題としては、自動車業界全体の動向（新車販売台数の変動、EV化の加速など）の影響を受けやすい点が挙げられます。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、地域密着型の営業戦略、異業種との連携による新規開拓、高付加価値商材のシェア拡大、ブランド構築に注力しています。中期経営計画の詳細は公開されていませんが、決算短信からは、自動車部品・用品等販売事業における新規顧客開拓、高付加価値商材の提案強化、アルコール検知器のクラウド化、シェア拡大を目指していることが伺えます。また、自動車処分事業においては、効率的な事業運営と収益力向上を目指しています。
4. 事業モデルの持続可能性
中央自動車工業の事業モデルは、自動車部品・用品の安定的な需要に支えられています。自動車の保有台数が一定以上ある限り、補修部品の需要は継続的に発生するため、収益基盤は比較的安定していると言えます。市場ニーズの変化への適応としては、EV化の進展に対応するため、EV関連部品の取り扱いを検討するなど、柔軟な対応が求められます。
5. 技術革新と主力製品
中央自動車工業は、自社企画の自動車用品を販売しており、技術革新というよりは、市場ニーズに合わせた商品開発に注力していると考えられます。収益を牽引しているのは、自動車部品・用品等販売事業であり、幅広い商品ラインナップと国内外のネットワークが強みとなっています。
6. 株価の評価
| 指標 | 値 |
|---|---|
| 株価 | 4,700円 |
| PER（会社予想） | 10.70倍 |
| PBR（実績） | 1.62倍 |
| 配当利回り（会社予想） | 2.93% |
| EPS（会社予想） | 440.11円 |
| BPS（実績） | 2,912.92円 |
PERは10.70倍であり、業界平均PERの10.1と比較すると、やや割高な水準です。PBRは1.62倍であり、業界平均PBRの0.7と比較すると、割高な水準です。EPS、BPSから判断すると、現在の株価は割安感はありません。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2月12日には4,395円まで下落しましたが、その後は上昇傾向にあり、2月26日には4,700円まで回復しています。年初来高値は5,940円、年初来安値は4,130円であり、現在の株価は年初来安値から上昇し、高値圏に近づきつつあると判断できます。50日移動平均線は4,585.20円、200日移動平均線は4,775.42円です。
8. 財務諸表分析
過去5年間の売上高は増加傾向にあり、2024年3月期には393億円となっています。営業利益、経常利益、当期純利益も同様に増加傾向にあり、収益性は向上しています。自己資本比率は87.0%と非常に高く、財務体質は良好です。ROEは17.25%と高く、効率的な経営が行われています。
| 項目 | 2024/3 | 2023/3 | 2022/3 | 2021/3 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高（百万円） | 39,331 | 35,879 | 30,693 | 27,572 |
| 営業利益（百万円） | 10,167 | 8,357 | 6,483 | 5,409 |
| 当期純利益（百万円） | 7,924 | 6,293 | 4,689 | 3,864 |
| ROE | 17.25% | – | – | – |
| 自己資本比率 | 87.0% | – | – | – |
9. 株主還元と配当方針
配当利回り（会社予想）は2.93%であり、1株配当は138.00円です。配当性向は32.20%です。安定的な配当を実施しており、株主還元に積極的な姿勢を示しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は上昇傾向にあり、モメンタムは強くなっています。信用倍率は16.36倍と高く、個人投資家の関心も高いと考えられます。株価への影響を与える要因としては、自動車業界全体の動向、業績発表、配当政策などが挙げられます。
11. 総評
中央自動車工業は、自動車部品・用品の卸売を主軸とし、安定した収益基盤と良好な財務体質を持つ企業です。好調な業績と高いROE、自己資本比率、そして安定的な配当が魅力です。株価は割高感はありませんが、上昇傾向にあります。今後の成長戦略として、新規顧客開拓、高付加価値商材の提案強化、EV化への対応などが重要となります。投資判断にあたっては、自動車業界全体の動向や、今後の業績推移を注視する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 8117 |
| 企業名 | 中央自動車工業 |
| URL | http://www.central-auto.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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