1. 企業情報
- 事業内容: キューブシステムは、システムインテグレーション（SI）、システムアウトソーシング、プロフェッショナルサービスを提供するIT企業です。金融、流通、通信、製造業など幅広い業界向けに、システム構築や運用、コンサルティングなどのサービスを提供しています。SE（システムエンジニア）のプロジェクト管理能力に定評があり、研修制度も充実しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界: 情報・通信業、特にITサービス業界に属します。
- 競争優位性: 金融、流通、通信分野への強みと、プロジェクト管理能力が強みです。
- 課題: IT人材不足や人件費の高騰は、同社を含むIT業界全体の課題です。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン/戦略: 中期経営計画において、従業員インセンティブ・プラン「株式付与ESOP信託」を導入するなど、人材育成とエンゲージメント向上に注力しています。
- 重点分野: 金融、流通、通信といった既存顧客へのサービス拡充に加え、DX（デジタルトランスフォーメーション）需要への対応が重要と考えられます。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: システムインテグレーションサービスが売上の大半を占めています。
- 市場ニーズへの適応力: DX推進の流れを受け、クラウドやデータ分析などの分野への対応が、今後の成長を左右する可能性があります。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発: クラウドやシステムインフラソリューションを提供しています。
- 主力製品/サービス: 金融、流通、通信向けのシステム構築、運用サービスが収益を牽引しています。
6. 株価の評価
- PER: 12.44倍（会社予想）
- PBR: 1.47倍（実績）
- EPS: 80.41円（会社予想）
- BPS: 681.30円（実績）
- 業界比較: 業界平均PER23.2と比較して割安感があります。PBRも業界平均2.3を下回っています。
- 株価: 現在の株価1000円は、EPSやBPSから見て、割安圏にある可能性があります。
7. テクニカル分析
- 株価推移: 直近10日間の株価は1000円前後で推移しており、年初来高値1200円、年初来安値951円と比較すると、中間の水準に位置しています。
- 移動平均線: 50日移動平均線は1038.56円、200日移動平均線は1060.48円となっており、現在の株価はこれらの移動平均線を下回っています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去5年間で増加傾向にあります。
- 利益: 2024年3月期は増収増益でしたが、2025年3月期第1四半期は減益となっています。
- ROE: 10.81%
- ROA: 6.02%
- 自己資本比率: 75.1%と高く、財務体質は良好です。
- キャッシュフロー: 詳細なデータは不足していますが、安定したキャッシュフローの確保が重要です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り: 4.00%（会社予想）
- 1株配当: 40.00円（会社予想）
- 配当性向: 49.18%
- 株主還元策: 配当による還元を重視しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価モメンタム: 直近の株価はやや軟調に推移しています。
- 影響要因: 業績動向、IT業界全体の動向、人材関連のコスト増などが株価に影響を与える可能性があります。
11. 総評
キューブシステムは、金融、流通、通信分野に強みを持つIT企業です。財務体質は良好で、配当利回りも魅力的な水準です。しかし、2025年3月期第1四半期は減益となっており、今後の業績回復が注目されます。IT人材不足や人件費の高騰といった業界全体の課題への対応も重要です。株価は割安感があるものの、今後の業績推移や、DX関連の取り組みに注目し、投資判断を行う必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 2335 |
| 企業名 | キューブシステム |
| URL | http://www.cubesystem.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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