1. 企業情報
コニカミノルタは、複合機、印刷システム、医療用画像診断システムなどを手掛ける大手電機メーカーです。デジタルワークプレイス、プロフェッショナルプリント、ヘルスケア、インダストリーといった多様な事業を展開し、グローバルに事業を展開しています。液晶TACフィルムで世界的に高いシェアを誇り、X線撮影装置などのヘルスケア分野にも強みを持っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
複合機市場においては中堅企業であり、関連サービスを含めた総合的なソリューション提供に強みを持っています。液晶TACフィルムでは世界トップクラスのシェアを誇り、ニッチ分野での競争優位性を確立しています。ヘルスケア分野では、X線撮影装置などの製品で一定のプレゼンスを確立しています。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、中期経営計画において、各事業の役割と期待を明確にし、事業の選択と集中を進めています。具体的には、デジタルワークプレイス、プロフェッショナルプリント、インダストリー事業を重点分野とし、ヘルスケア事業は、地域、サービスごとの採算を見極め地域・展開国と事業領域の絞り込みを実行中です。プレシジョンメディシン事業は非重点事業と位置づけ、Invicro, LLC社の全持分譲渡を完了しました。
4. 事業モデルの持続可能性
複合機や印刷システムなどのハードウェア販売に加え、消耗品やITサービスなどの継続的な収益が見込めるビジネスモデルを構築しています。市場ニーズの変化に対応するため、デジタル化やクラウドサービスの提供にも注力しています。ヘルスケア分野では、高齢化社会を背景に、医療機器やサービスの需要が拡大しており、成長の余地があります。
5. 技術革新と主力製品
複合機、デジタル印刷システム、医療用画像診断システムなど、幅広い製品ラインナップを有しています。特に、液晶TACフィルムやX線撮影装置などの分野で高い技術力を誇っています。近年では、IoTやAI技術を活用した製品開発にも注力し、競争力の強化を図っています。
6. 株価の評価
- 株価: 528.0円 (2025年2月26日終値)
- EPS (会社予想): 0.00円
- BPS (実績): 1,081.84円
- PER (会社予想): — (EPSが0のため算出不可)
- PBR (実績): 0.49倍
PBRは0.49倍と、割安感があります。ただし、EPSが赤字であるため、PERは算出できません。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、525.3円から580.1円の間を変動しており、200日移動平均線（529.40円）近辺で推移しています。2025年2月12日には年初来高値718円を記録しており、足元では調整局面にあると考えられます。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去1年間で1兆1599億円と、前期比で増加しています。
- 営業利益: 過去1年間で260億円と、黒字転換しています。
- 当期純利益: 過去1年間で45億円と、黒字転換しています。
- ROE (実績): 0.88%
- 自己資本比率 (実績): 38.9%
売上高は増加傾向にあり、営業利益、当期純利益も黒字化していますが、ROEは低水準です。自己資本比率は38.9%と、財務基盤は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り (会社予想): 0.00%
- 1株配当 (会社予想): 0.00円
- 配当性向: 0%
- 自社株買い: 実施していません。
現状では無配であり、株主還元は行われていません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、上昇と下落を繰り返しており、方向感は定まっていません。信用買残は増加傾向、信用売残は減少傾向にあり、需給はやや悪化しています。
11. 総評
コニカミノルタは、複合機や印刷関連事業を中核とし、ヘルスケア分野にも強みを持つ企業です。事業ポートフォリオの再構築を進め、収益性の改善を図っています。財務状況は改善傾向にありますが、配当がないこと、株価の変動が大きいことなど、注意すべき点もあります。今後の業績動向や株主還元策に注目していく必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 4902 |
| 企業名 | コニカミノルタ |
| URL | http://konicaminolta.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
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