1. 企業情報
株式会社JMSは、使い捨て医療器具の大手メーカーです。輸液・栄養、透析、外科治療、血液・細胞領域を主な事業とし、日本、シンガポール、インドネシア、中国、フィリピン、韓国、その他世界各国で製品を販売しています。特に、血液回路・透析装置、透析針に強みを持っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
JMSは、医療機器業界において、特定の分野で高い競争力を持つニッチトップ企業と言えます。特に透析領域や輸液領域において、高品質な製品とグローバルな販売網を強みとしています。
競争優位性:
- 製品の品質と信頼性: 医療現場で高い信頼を得ている。
- グローバル展開: 海外市場での販売・生産体制を構築し、収益の多様化を図っている。
- ニッチ市場での強み: 特定の製品分野で高いシェアを獲得している。
課題:
- 原材料費の高騰: 原材料価格の変動が業績に影響を与える可能性がある。
- 為替変動リスク: 海外売上比率が高いため、為替変動の影響を受けやすい。
- 競合との競争: 医療機器業界は競争が激しく、技術革新や価格競争にさらされる可能性がある。
3. 経営戦略と重点分野
JMSは、グローバル展開を加速させ、主力製品の販売拡大を目指しています。
経営陣のビジョン:
- 医療現場のニーズに応える高品質な製品の提供。
- 海外市場でのプレゼンス向上。
- 収益性の向上。
中期経営計画の重点分野:
- 薬剤調製・投与クローズドシステムの販売強化。
- 価格転嫁による収益性向上。
- 海外市場での製品販売拡大。
4. 事業モデルの持続可能性
JMSの事業モデルは、医療ニーズに支えられており、安定した需要が見込めます。高齢化の進展や医療技術の発展に伴い、医療機器の需要は今後も増加すると予想されます。
収益モデル:
- 使い捨て医療機器の販売による安定的な収益。
- 海外市場での販売拡大による成長。
市場ニーズの変化への適応力:
- 技術革新への対応（新製品の開発、既存製品の改良）。
- グローバル市場への対応（各国の規制やニーズへの対応）。
5. 技術革新と主力製品
JMSは、医療現場のニーズに応える製品開発に注力しています。
技術開発の動向:
- 製品の安全性と利便性の向上。
- 医療現場の効率化に貢献する製品の開発。
主力製品:
- 輸液・栄養関連製品（輸液セット、栄養剤など）
- 透析関連製品（血液回路、透析装置、透析針など）
- 外科治療関連製品（人工心肺用製品など）
- 血液・細胞関連製品（採血セット、血液バッグなど）
6. 株価の評価
現在の株価は475.0円です。
* PER: 46.52倍（会社予想）
* PBR: 0.28倍（実績）
* EPS: 10.21円（会社予想）
* BPS: 1,684.19円（実績）
PERは業界平均（17.5倍）と比較して割高ですが、PBRは割安です。EPSとBPSを考慮すると、現在の株価は割安と判断することもできます。ただし、業績の変動や今後の成長性も考慮する必要があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、470円台を中心に小幅な変動を繰り返しています。年初来高値は549円、年初来安値は416円であり、現在の株価は年初来高値と安値の中間付近に位置しています。200日移動平均線は483.20円であり、現在の株価はこれを下回っています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去12ヶ月で652億9200万円と、安定的に推移しています。
- 営業利益: 2024年3月期は-2億6800万円と赤字でしたが、直近四半期では8億1900万円と黒字に転換しています。
- 経常利益: 直近四半期で6億3200万円と大幅に増加しています。
- 当期純利益: 直近四半期で2億900万円と大幅に増加しています。
- ROE: 過去12ヶ月で-0.09%と低水準です。
- 自己資本比率: 47.9%と、財務体質は安定しています。
過去数年間の傾向:
- 売上高は緩やかな増加傾向。
- 利益は、2024年3月期は赤字でしたが、直近四半期で回復傾向。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り: 3.58%（会社予想）
- 1株配当: 17.00円（会社予想）
- 配当性向: 204.33%
- 自社株買い: 記載なし
JMSは、安定的な配当を実施しています。配当利回りも比較的高い水準です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、小幅な変動を繰り返しており、明確な上昇トレンドは見られません。
株価への影響を与える要因:
- 業績の動向（売上高、利益の増減）。
- 海外市場の状況（為替変動、各国の医療政策）。
- 新製品の開発状況。
- 競合他社の動向。
11. 総評
JMSは、使い捨て医療機器分野で高い競争力を持つ企業です。グローバル展開を進め、安定した需要が見込める事業を展開しています。
ポジティブな点:
- 安定した事業基盤。
- グローバル展開による成長の可能性。
- 高い配当利回り。
- 直近の業績回復。
ネガティブな点:
- PERは割高。
- ROEは低水準。
- 原材料費や為替変動リスク。
総合的な見解:
JMSは、中長期的な視点で見れば、成長の可能性を秘めた企業と言えます。ただし、業績の変動リスクや、株価の割高感を考慮し、慎重な投資判断が必要です。今後の業績動向、特に海外市場での販売状況や、新製品の開発状況に注目していく必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 7702 |
| 企業名 | JMS |
| URL | http://www.jms.cc/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 電機・精密 – 精密機器 |
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