1. 企業情報
企業名: 稲畑産業株式会社
事業内容: 稲畑産業は、情報電子、化学品、生活産業、合成樹脂の各分野でソリューションとサービスを提供する化学専門商社です。特に電子材料や合成樹脂に強みを持ち、アジアを中心に広域展開しています。
設立: 1918年6月10日
本社所在地: 東京都中央区日本橋室町2-3-1
従業員数: 4,791人
2. 業界のポジションと市場シェア
稲畑産業は化学専門商社として、住友化学系の企業でありながら独自のオーナーシップを持っています。情報電子や合成樹脂を主力とし、アジア市場での展開が強みです。業界内での競争優位性は、幅広い製品ラインナップと地域展開にありますが、競争が激しい市場でのシェア拡大が課題です。
3. 経営戦略と重点分野
稲畑産業は、情報電子事業や合成樹脂事業の拡大を戦略的に推進しています。特に、FPD関連や半導体関連の市場での販売拡大を目指しています。また、化学品事業では海外市場への販売拡大を図っています。
4. 事業モデルの持続可能性
稲畑産業の収益モデルは多様な製品群に支えられており、特に情報電子や合成樹脂の需要に応じた柔軟な対応が可能です。市場ニーズの変化に対しては、技術革新と新規市場開拓を通じて適応しています。
5. 技術革新と主力製品
稲畑産業は、FPD関連、半導体関連、プリンター関連などの技術開発に注力しています。特に、合成樹脂事業では高機能樹脂やコンパウンド事業が収益を牽引しています。
6. 株価の評価
- 株価: 3,120円
- EPS（会社予想）: 366.70円
- BPS（実績）: 3,934.20円
- PER（会社予想）: 8.51倍
- PBR（実績）: 0.79倍
業界平均のPERが12.1倍、PBRが1.0倍であることを考慮すると、稲畑産業の株価は比較的割安と評価されます。
7. テクニカル分析
株価は年初来高値3,710円から下落し、現在は3,120円で推移しています。50日移動平均の3,193.50円、200日移動平均の3,303.53円を下回っており、短期的には下落傾向にあります。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 766,022百万円（過去12か月）
- 営業利益: 21,191百万円（過去12か月）
- 純利益: 20,000百万円（過去12か月）
- ROE: 10.54%
- 自己資本比率: 46.8%
過去数年の売上と利益は増加傾向にあり、特に営業利益と純利益の成長が顕著です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り: 4.01%
- 1株配当: 125円
- 配当性向: 32.87%
配当利回りは業界平均を上回り、株主還元に積極的です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は安値圏で推移しており、信用買残が増加していることから、投資家の関心が高まっていると考えられます。
11. 総評
稲畑産業は、情報電子や合成樹脂を中心に多様な事業を展開しており、アジア市場での強みを活かしています。株価は割安と評価される一方で、短期的には下落傾向にあります。財務状況は健全であり、配当利回りも魅力的です。今後の市場動向に注視しつつ、業績の持続的な成長が期待されます。
企業情報
| 銘柄コード | 8098 |
| 企業名 | 稲畑産業 |
| URL | http://www.inabata.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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