1. 企業情報
森永乳業は、乳製品を主力とする日本の大手食品メーカーです。牛乳、ヨーグルト、チーズ、アイスクリームなど、幅広い商品を製造・販売しており、特にチルドカップ乳飲料やチーズで高い市場シェアを誇ります。また、乳酸菌などのBtoB向けの菌体販売にも注力しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
森永乳業は、業界2位のポジションに位置しています。チルドカップ乳飲料やチーズなどの分野で高いシェアを持ち、競争優位性を確立しています。課題としては、原料価格や物流費の高騰が挙げられますが、高付加価値商品の開発や価格改定によって対応を図っています。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、中期経営計画2022-24を推進しており、2029年3月期を最終目標とした10年ビジョンを掲げています。
* 重点分野:
* 高付加価値商品の開発
* 海外事業の成長
* 健康ニーズへの対応(ヨーグルト、機能性素材など)
4. 事業モデルの持続可能性
森永乳業の事業モデルは、乳製品という人々の食生活に不可欠な商品を扱っているため、安定した需要が見込めます。健康志向の高まりに対応した商品開発や、海外市場への展開など、市場ニーズの変化への適応力も備えています。
5. 技術革新と主力製品
森永乳業は、乳酸菌などのプロバイオティクス分野で技術的な強みを持っています。
* 主力製品:
* チルドカップ乳飲料
* ヨーグルト
* チーズ
* アイスクリーム
* 乳酸菌関連製品(BtoB)
6. 株価の評価
- 株価: 2,936.5円(2025年2月28日終値)
- PER(会社予想): 13.84倍(業界平均19.5)
- PBR(実績): 0.89倍(業界平均1.3)
- EPS(会社予想): 212.16円
- BPS(実績): 3,281.55円
PER、PBRともに業界平均を下回っており、割安感があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、2月18日に3,112円の高値をつけた後、下落傾向にあります。2月28日の終値は2,936.5円で、年初来高値3,634円からは大きく下落していますが、年初来安値2,705円からは上昇しています。50日移動平均線2,876.58円を上回っています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去1年間で5,470億5,900万円。
- 営業利益: 過去1年間で278億3,900万円。
- 当期純利益: 過去1年間で613億700万円。
- ROE(実績): 24.52%
- 自己資本比率(実績): 49.0%
売上高は増加傾向にありますが、2025年3月期第3四半期決算では、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益が減益となっています。これは、原料価格、物流費、人件費などのコストアップに加え、東京工場跡地売却益の計上が影響しています。ROEは高い水準を維持しており、財務体質は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り(会社予想): 3.06%
- 1株配当(会社予想): 90.00円
- 配当性向: 65.72%
- 自社株買い: 2024年5月に「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」を発表しており、株主還元に積極的な姿勢を示しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は下落傾向にあり、モメンタムは弱含みです。信用買い残が減少し、信用売り残が増加していることから、短期的な株価の調整局面にあると考えられます。
11. 総評
森永乳業は、安定した事業基盤と高い収益性を持つ食品メーカーです。割安な株価、高いROE、安定した配当利回りが魅力です。ただし、直近の決算では減益となっており、今後の業績動向には注意が必要です。株価は調整局面にあるものの、中長期的な視点で見れば、魅力的な投資対象となり得る可能性があります。
企業情報
銘柄コード | 2264 |
企業名 | 森永乳業 |
URL | http://www.morinagamilk.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 食品 – 食料品 |
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