1. 企業情報
NCS&A株式会社は、独立系のソフトウェア開発会社として、システム設計、ソフトウェア開発、パッケージソフトウェアのカスタマイズ、ハードウェア保守、システムサポートなど、幅広いITサービスを提供しています。金融、医療、公共、製造、流通、ホテル/レストラン、介護など、多岐にわたる業界/タスク向けのソリューションも提供しています。NECとの関係が深く、NEC経由の請負も多いのが特徴です。
2. 業界のポジションと市場シェア
NCS&Aは、独立系のSIerとして、特定のメーカーに依存しない強みを持っています。ITサービス業界は競争が激しく、大手SIerや外資系企業との競争に直面しています。しかし、長年の実績とNECとの連携により、一定の顧客基盤を確立しています。
競争優位性:
- 独立系SIerとしての柔軟性
- NECとの連携による安定的な顧客基盤
- 幅広い業界への対応力
課題:
- 大手SIerとの価格競争
- 技術革新への迅速な対応
- 人材確保
3. 経営戦略と重点分野
NCS&Aは、自社製品によるソリューションの強化に注力しています。具体的には、マイグレーションサービスの保険会社向け大型案件や、アライアンス先との協業案件を推進しています。また、オーダーエントリーシステム「E.M.O (エモ)」の導入も進めています。
中期経営計画:
- 中期経営計画の具体的な内容は、今回の情報からは不明です。
重点分野:
- 自社製品によるソリューションの拡充
- マイグレーションサービスの強化
- 中堅・中小企業向けシステム開発案件の獲得
4. 事業モデルの持続可能性
NCS&Aの収益モデルは、システム開発、サービス、システム機器等販売の3本柱で構成されています。IT需要の拡大や、企業のデジタルトランスフォーメーション（DX）推進の流れを背景に、システム開発やサービスの需要は堅調に推移すると考えられます。
市場ニーズへの適応力:
- 「2025年の崖」問題に対応するマイグレーション需要への対応
- 自社製品の開発による高付加価値サービスの提供
- 中堅・中小企業向けシステムの需要への対応
5. 技術革新と主力製品
NCS&Aは、マイグレーションサービスやオーダーエントリーシステム「E.M.O (エモ)」などの自社製品を開発・提供しています。
主力製品:
- マイグレーションサービス
- オーダーエントリーシステム「E.M.O (エモ)」
6. 株価の評価
- 株価: 840.0円
- EPS（会社予想）: 81.75円
- PER（会社予想）: 10.28倍
- BPS（実績）: 792.24円
- PBR（実績）: 1.06倍
PERは、業界平均の17.6倍と比較して低く、割安感があります。PBRも1倍台であり、割安と判断できます。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、株価は835円から878円の間で変動しており、2月28日の終値は840円でした。年初来高値932円、年初来安値723円と比較すると、現在の株価は年初来高値よりは低いものの、安値圏からは上昇傾向にあります。50日移動平均線836.80円、200日移動平均線835.50円を若干上回っており、底堅い動きとなっています。
8. 財務諸表分析
| 指標 | 過去12か月 | 2024年3月期 | 2023年3月期 | 2022年3月期 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 18,907百万円 | 18,908百万円 | 19,386百万円 | 20,458百万円 |
| 営業利益 | 1,638百万円 | 1,638百万円 | 1,541百万円 | 1,297百万円 |
| 経常利益 | 2,118百万円 | 2,118百万円 | 1,616百万円 | 1,220百万円 |
| 当期純利益 | 1,537百万円 | 1,537百万円 | 1,273百万円 | 978百万円 |
| ROE | 13.42% | |||
| ROA | 6.08% | |||
| 自己資本比率 | 63.8% |
売上高は、2022年3月期をピークに減少傾向にありますが、2024年3月期はほぼ横ばいとなっています。営業利益、経常利益、当期純利益は、過去数年で増加傾向にあり、収益性の改善が見られます。ROEは13.42%と高く、効率的な経営が行われていると考えられます。自己資本比率も63.8%と高く、財務体質は良好です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 4.52%
- 1株配当（会社予想）: 38.00円
- 配当性向: 32.31%
- 株主還元策: 従業員持株会向け譲渡制限付株式インセンティブ制度を導入
配当利回りは4.52%と高く、株主還元に積極的な姿勢を示しています。配当性向も32.31%と、無理のない範囲で配当を行っています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、2月28日に840円で取引を終え、前日終値865円から下落しました。出来高は24,700株と、通常よりもやや多く、関心が高まっている可能性があります。信用買残は増加傾向にあり、投資家の期待も高まっていると考えられます。
株価への影響要因:
- ITサービス市場の動向
- 自社製品の販売状況
- 業績予想の達成状況
- 配当政策
11. 総評
NCS&Aは、独立系SIerとして、安定した顧客基盤と高い収益性を誇っています。自社製品の拡充や、マイグレーションサービスの強化など、成長戦略も明確です。財務体質も良好で、株主還元にも積極的です。株価は割安感があり、今後の業績拡大に期待できる銘柄と言えるでしょう。ただし、IT業界の競争激化や、技術革新への対応など、注意すべき点もあります。
企業情報
| 銘柄コード | 9709 |
| 企業名 | NCS&A |
| URL | http://ncsa.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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