1. 企業情報
エクシオグループは、電気通信工事を主力とする企業です。NTT関連の工事に強みを持ち、情報通信、IT関連分野にも事業を拡大しています。具体的には、通信インフラの構築・保守、都市インフラ関連工事、システムソリューションの提供などを行っています。近年は、海外M&Aにも積極的に取り組んでいます。
2. 業界のポジションと市場シェア
エクシオグループは、電気通信工事業界において大手の一角を占めています。特にNTT関連の工事においては高いシェアを有していると考えられます。
競争優位性:
- NTTとの強固な関係性
- 幅広い事業ポートフォリオ（通信、都市インフラ、システムソリューション）
- 技術力と豊富な実績
課題:
- 競争激化（同業他社との価格競争、技術革新への対応）
- 人手不足（建設業界全体での課題）
- 市況変動の影響（公共投資や民間設備投資の動向）
3. 経営戦略と重点分野
エクシオグループは、中期経営計画において、以下の点を重点分野としています。
* 通信キャリア事業: アクセス分野、ネットワーク分野の強化。モバイル分野における都市部を中心とした工事への対応。
* 都市インフラ事業: 大規模データセンター関連工事の拡大。公共関連（鉄道関連通信工事など）の継続的な受注。EV充電設備、蓄電池設備工事への注力。
* システムソリューション事業: 上位コンサルから保守運用までワンストップでのサービス提供。文教系や地方自治体向けソリューションの展開。AI画像解析システムを活用したプロジェクトの推進。
* グローバル事業: 事業の選択と集中による構造改革。
4. 事業モデルの持続可能性
エクシオグループの事業モデルは、通信インフラの需要に支えられており、一定の持続性があると考えられます。デジタル化の進展、データトラフィックの増加に伴い、通信インフラの需要は今後も継続すると予想されます。また、都市インフラやシステムソリューション分野への事業拡大は、リスク分散に繋がり、収益の安定化に貢献する可能性があります。
市場ニーズの変化への適応力:
- 5G、IoT、AIなどの技術革新への対応
- データセンター需要の増加への対応
- 再生可能エネルギー関連事業への参入
5. 技術革新と主力製品
エクシオグループは、通信インフラ構築・保守に関する高い技術力を有しています。
技術開発の動向:
- 5G関連技術の開発
- AI、IoTを活用したソリューション開発
- 再生可能エネルギー関連技術の開発
収益を牽引している製品やサービス:
- 通信インフラ構築・保守サービス
- データセンター関連工事
- システムソリューション（クラウド、AIなど）
6. 株価の評価
- PER (会社予想): 14.13倍
- PBR (実績): 1.17倍
- EPS (会社予想): 122.73円
- BPS (実績): 1,477.61円
PERは業界平均（14.0倍）とほぼ同水準です。PBRは1倍を超えており、割安感はありません。EPSとBPSから、現在の株価が割安か割高かを判断するには、更なる詳細な分析が必要です。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、株価は1,700円台で推移しており、やや下落傾向にあります。年初来高値（1,860円）からは下落していますが、年初来安値（1,350円）からは上昇しています。
8. 財務諸表分析
| 指標 | 過去12か月 | 3/31/2024 | 3/31/2023 | 3/31/2022 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 614,095百万円 | 614,095百万円 | 627,607百万円 | 594,840百万円 |
| 営業利益 | 34,122百万円 | 34,122百万円 | 32,553百万円 | 42,381百万円 |
| 経常利益 | 36,176百万円 | 36,176百万円 | 37,430百万円 | 44,112百万円 |
| 当期純利益 | 20,058百万円 | 20,058百万円 | 22,233百万円 | 27,766百万円 |
| ROE | 6.51% | – | – | – |
| ROA | 4.08% | – | – | – |
| 自己資本比率 | 52.9% | – | – | – |
- 売上高: 過去12ヶ月は減少傾向。
- 利益: 営業利益、経常利益、当期純利益は、2022年、2023年と比較すると減少傾向。
- ROE: 6.51%と、特筆するほど高い水準ではありません。
- 自己資本比率: 52.9%と、財務体質は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 3.57%
- 1株配当（会社予想）: 62.00円
- 配当性向: 62.29%
- 自社株買い: 2024年2月、5月、2025年2月に自己株式を取得。
配当利回りは、3%を超えており、まずまずの水準です。配当性向は60%を超えており、利益の一部を株主に還元する姿勢が伺えます。自社株買いも積極的に行っており、株主還元に積極的な姿勢を示しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、やや下落傾向にあります。信用買い残は減少し、信用売り残も減少しています。
株価への影響を与える要因:
- 業績動向（売上高、利益の伸び）
- 公共投資、民間設備投資の動向
- 金利動向
- 競合他社の動向
- 技術革新の進展
11. 総評
エクシオグループは、電気通信工事を主力とする大手企業であり、安定した事業基盤を有しています。NTTとの強固な関係性、幅広い事業ポートフォリオ、技術力を強みとしています。
直近の業績は、売上高が減少傾向にあり、利益も伸び悩んでいます。しかし、中期経営計画においては、成長戦略を掲げており、今後の業績回復に期待できます。
株価は、PERが業界平均とほぼ同水準であり、割安感はありません。テクニカル分析では、株価はやや下落傾向にあります。
企業情報
| 銘柄コード | 1951 |
| 企業名 | エクシオグループ |
| URL | https://www.exeo.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 建設業 |
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