1. 企業情報
大幸薬品は、一般用医薬品（OTC医薬品）の製造・販売を主な事業とする企業です。主力製品は止瀉薬「正露丸」であり、その他にも感染管理製品「クレベリン」などを展開しています。国内市場に加え、海外市場への展開も進めています。近年は、不振の「クレベリン」など事業再構築に取り組んでいます。
2. 業界のポジションと市場シェア
大幸薬品は、OTC医薬品市場において、特定の領域で高いシェアを持つニッチプレーヤーです。特に「正露丸」は、長年培われたブランド力と認知度を有しています。しかし、感染管理製品の市場競争は激しく、事業再構築が課題となっています。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、医薬品事業の強化と感染管理事業の再構築を重点戦略としています。具体的には、医薬品事業においては、製造体制の強化とマーケティング施策の強化を図っています。感染管理事業においては、コストコントロールとプロモーションの強化を進めています。
4. 事業モデルの持続可能性
大幸薬品の収益モデルは、主力製品である「正露丸」の安定的な需要に支えられています。しかし、市場ニーズの変化や競合製品の登場に対応するため、新製品の開発や海外展開の強化が重要です。感染管理事業の収益性改善も、事業全体の持続可能性を高める上で不可欠です。
5. 技術革新と主力製品
大幸薬品は、医薬品の研究開発に注力しています。主力製品である「正露丸」は、長年の販売実績とブランド力を有しています。感染管理製品「クレベリン」は、空間除菌という新たな市場を開拓しましたが、競合との差別化や需要の創出が課題となっています。
6. 株価の評価
- 株価: 284.0円
- PER（会社予想）: (連)47.49倍
- PBR（実績）: (連)1.79倍
- EPS（会社予想）: (連)5.98
- BPS（実績）: (連)158.67
PERは業界平均（27.8倍）を上回っており、割高感があります。PBRは業界平均（1.4倍）を上回っています。EPSは低く、利益成長が課題です。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、280円から303円の範囲で変動しており、284円で取引されています。年初来安値（280円）に接近しており、安値圏にある可能性があります。50日移動平均線（314.30）と200日移動平均線（374.96）を下回っており、弱気トレンドを示唆しています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2024年12月期は62.92億円と、前期から増加。
- 営業利益: 2024年12月期は6.29億円と、黒字転換。
- 経常利益: 2024年12月期は6.88億円と、黒字転換。
- 当期純利益: 2024年12月期は8.98億円と、黒字転換。
- ROE（実績）: (連)12.22%
- 自己資本比率（実績）: (連)61.7%
過去数年間の業績は、2021年をピークに落ち込んでいましたが、2024年12月期は黒字転換し、回復基調にあります。自己資本比率は高く、財務体質は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
配当は未定です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、下落傾向にあります。信用買い残は増加傾向にあり、個人投資家の関心は高いと考えられます。
11. 総評
大幸薬品は、主力製品「正露丸」の安定的な需要を基盤に、業績を回復基調に転じさせています。しかし、感染管理事業の再構築や、新製品の開発など、今後の成長に向けた課題も多く残されています。株価は割高感があり、テクニカル的にも弱気トレンドを示唆しています。投資を検討する際には、今後の業績推移や事業戦略の進捗を注視する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 4574 |
| 企業名 | 大幸薬品 |
| URL | http://www.seirogan.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 医薬品 – 医薬品 |
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