1. 企業情報
セントラル総合開発は、ファミリー向け分譲マンション「クレア」シリーズを主力とする不動産会社です。マンション開発・販売に加え、オフィスビルの賃貸、マンションの賃貸・管理、保険代理店事業も展開しています。九電工グループの一員であり、全国的に事業を展開しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
不動産業界に属し、ファミリー向けマンション市場を主なターゲットとしています。市場シェアに関する具体的なデータは開示されていませんが、全国展開していることから一定のプレゼンスを有していると考えられます。競争優位性としては、九電工グループとしての安定した経営基盤、ファミリー層に特化した商品ラインナップが挙げられます。課題としては、不動産市況の変動、用地取得コストの上昇、競合他社との差別化などが考えられます。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、長期経営計画「PLAN2030 -CLARE CHALLENGE-」を掲げ、その達成に向けた取り組みを継続しています。具体的な施策としては、不動産販売事業における用地取得から建設会社との連携によるコスト抑制、顧客ニーズに合わせた価格設定、地方中核都市での展開、コンパクトマンションの開発などが挙げられます。また、不動産賃貸・管理事業においては、既存テナントの確保、新規テナントの獲得、マンション管理サービスの提供、ビル管理事業の拡大を目指しています。
4. 事業モデルの持続可能性
収益モデルは、マンション販売が中心であり、不動産市況の影響を受けやすい構造です。市場ニーズの変化への適応力としては、ファミリー層向けというターゲットの明確化、コンパクトマンションの開発など、変化に対応しようとする姿勢が見られます。しかし、足元の業績は、不動産販売事業における物件の竣工・引渡しの減少により、売上高が減少しており、事業モデルの持続可能性には注意が必要です。
5. 技術革新と主力製品
技術革新に関する具体的な情報は開示されていません。主力製品は、ファミリー向け分譲マンション「クレア」シリーズです。
6. 株価の評価
- 株価: 459.0円（2025年2月28日終値）
- PER（会社予想）: 5.86倍（業界平均: 11.3倍）
- PBR（実績）: 0.52倍（業界平均: 0.9倍）
- EPS（会社予想）: 78.30円
- BPS（実績）: 883.63円
PER、PBRともに業界平均を下回っており、割安感があります。EPS、BPSに基づくと、理論上の価値に対して株価は割安と評価できます。ただし、直近の業績悪化を考慮する必要があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、456円から476円の間で推移しており、460円近辺で安定しているように見えます。年初来高値602円、年初来安値406円と比較すると、現時点では安値圏にあると判断できます。50日移動平均線（468.92円）と200日移動平均線（468.89円）を下回っており、短期的な下落トレンドを示唆しています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2024年3月期は303.9億円、2025年3月期第3四半期累計では85.3億円と、前年同期比で減少しています。
- 利益: 2024年3月期は営業利益15.4億円、当期純利益8.5億円でしたが、2025年3月期第3四半期累計では営業損失15.2億円、当期純損失13.3億円と赤字に転落しています。
- キャッシュフロー: 決算短信に記載がありません。
- ROE（実績）: 2024年3月期は9.50%でしたが、直近12ヶ月では-4.06%と悪化しています。
- 自己資本比率（実績）: 2024年3月期は27.2%でしたが、2025年3月期第3四半期では17.6%と低下しています。
売上高、利益ともに減少傾向にあり、財務状況は悪化しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 3.92%
- 1株配当（会社予想）: 18.00円
- 配当性向: 86.46%
- 自社株買い: 記載なし
配当利回りは比較的高い水準ですが、配当性向も高いため、業績悪化による減配リスクに注意が必要です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価モメンタム: 直近の株価は下落傾向にあり、モメンタムは弱いです。
- 信用取引: 信用買残は増加傾向にあり、個人投資家の関心はやや高まっている可能性があります。信用倍率は0.00倍と、売り残がありません。
- 株価への影響要因: 不動産市況、金利変動、物件の竣工状況、業績予想の修正などが考えられます。
11. 総評
セントラル総合開発は、ファミリー向けマンションを主力とする不動産会社です。PER、PBRは割安感がありますが、直近の業績は悪化しており、株価は下落傾向にあります。財務状況も悪化しており、今後の業績回復が重要です。配当利回りは高いものの、配当性向も高いため、減配リスクに注意が必要です。投資判断にあたっては、今後の業績動向、不動産市況、金利変動などを注視する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 3238 |
| 企業名 | セントラル総合開発 |
| URL | http://www.central-gd.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 不動産 – 不動産業 |
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