1. 企業情報
イリソ電子工業株式会社は、主にコネクターの開発、製造、販売を行っている企業です。自動車、産業、消費者向け市場において、ボード間、FPC/FFC、ソケット、ピンヘッダー、I/O、カードエッジコネクター、圧縮端子、ESD保護チップなどを提供しています。車載用コネクターを主力とし、デジタル家電や産業用途にも展開しています。製品の大半がカスタム品であることが特徴です。
2. 業界のポジションと市場シェア
イリソ電子工業は、コネクター業界において大手の一角を占めています。特に車載用途での強みを持ち、競争優位性を確立していますが、原材料価格の高騰や市場の変動に対する適応が課題となっています。
3. 経営戦略と重点分野
同社は、構造改革を進めており、生産効率や人事制度の拡充を図っています。また、茨城工場の機能見直しや人員最適化を行い、年間約7億円の利益改善を見込んでいます。中期経営計画では、収益性の向上と市場シェア拡大を目指しています。
4. 事業モデルの持続可能性
イリソ電子工業は、車載用コネクターを中心とした収益モデルを持ち、安定した市場ニーズに応えています。しかし、原材料コストの変動や競争激化に対する対応が求められています。
5. 技術革新と主力製品
同社は、カスタム製品の開発に強みを持ち、技術革新を続けています。特に車載用コネクターの分野での技術力が高く評価されています。
6. 株価の評価
- 現在の株価: 2,689円
- EPS（会社予想）: 59.06円
- BPS（実績）: 3,414.18円
- PER（会社予想）: 45.53倍
- PBR（実績）: 0.79倍
業界平均PERが24.2倍であることを考えると、同社のPERは高めに見えますが、PBRは業界平均1.6倍と比較して低いです。
7. テクニカル分析
直近の株価は、50日移動平均線（2,692.44円）に近い水準で推移していますが、200日移動平均線（2,749.55円）を下回っています。年初来高値（3,690円）と安値（2,123円）の中間程度に位置しています。
8. 財務諸表分析
- 売上高は過去数年で増加傾向にあります。
- 営業利益と純利益は、2023年度に比べて減少していますが、長期的には成長しています。
- 自己資本比率は78.7%と高く、財務の健全性が高いです。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）は3.72%で、1株当たり配当は100円です。
- 配当性向は49.23%で、安定した配当政策を維持しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価は最近の10日間で若干の上昇傾向にあります。
- 信用買残が信用売残を大きく上回っており、投資家の買い意欲が強いことが示唆されます。
11. 総評
イリソ電子工業は、車載用コネクターを中心に強固な事業基盤を持つ企業です。構造改革を進めることで効率性を高め、収益性の向上を図っています。株価は業界平均と比較して割高感があるものの、PBRは低く、財務の健全性も高いです。配当利回りも魅力的で、安定した株主還元を行っています。市場の変動や原材料価格の影響を受けやすい点には注意が必要です。
企業情報
| 銘柄コード | 6908 |
| 企業名 | イリソ電子工業 |
| URL | http://www.iriso.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
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