1. 企業情報
企業名: 株式会社ラック (LAC Co., Ltd.)
概要: 株式会社ラックは、日本のセキュリティおよびシステム統合サービスを提供する企業です。主な製品には、ネットワークセキュリティ監視サービスであるJapan Security Operation Center (JSOC)、ログ収集・分析サービスのLAC Falcon、クラウドセキュリティ監視システムのCloudFalcon、サイバー攻撃に対する総体的侵入テストサービス、および自社株買いなどの株主還元策があります。1986年設立で、2012年に社名をLAC Holdings Co., Ltd.からLAC Co., Ltd.に変更しました。現在はKDDI株式会社の子会社です。
事業内容:
- セキュリティソリューションサービス: 45%
- システムインテグレーションサービス: 55%
市場区分: スタンダード（内国株式）
業種: 情報・通信業
住所: 〒102-0093 東京都千代田区平河町2-16-1 平河町森タワー
代表者名: 西本 逸郎
設立年月日: 2007年10月1日
従業員数: 2,283人
2. 業界のポジションと市場シェア
業界内での競争優位性:
- サイバーセキュリティ市場で高い評価を得ており、特にネットワークセキュリティ監視サービスで競争力を持ちます。
- サイバー攻撃に対するソリューションサービスが強みとなっています。
課題:
- サイバーセキュリティ業界は急速に進化するため、常に最新の技術革新に対応する必要があります。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣のビジョン:
- セキュリティ事業を中心とした既存事業の成長と新たな価値創造を目指す。
中期経営計画:
- 2024-2026年度の計画で、セキュリティ事業を軸に既存事業の成長と新たな価値創造を目指します。
4. 事業モデルの持続可能性
収益モデル:
- 主にセキュリティソリューションサービスとシステム統合サービスを通じて収益を生み出しています。
市場ニーズへの適応力:
- サイバー脅威の増加に対応するため、セキュリティサービスの需要は高まっています。
5. 技術革新と主力製品
技術開発の動向:
- サイバーセキュリティ分野での技術革新に積極的に取り組んでおり、特に侵入テストサービスや攻撃シミュレーションサービスに注力しています。
主力製品:
- LAC Falcon、CloudFalcon、総体的侵入テストサービス、サイバー攻撃シミュレーションサービスであるCymulate。
6. 株価の評価
EPS（会社予想）: 49.70円
BPS（実績）: 503.23円
PER（会社予想）: 23.26倍
PBR（実績）: 2.30倍
現在の株価との比較:
- 株価は1,156円で、52週高値（1,158円）とほぼ同値、52週安値（682円）からは大幅に上昇しています。
7. テクニカル分析
株価推移:
- 直近10日間の株価は横ばいであり、1,156円から1,157円の間で推移しています。
- 50日移動平均線は1,156.16円、200日移動平均線は923.85円と、株価は200日移動平均線を上回っており、上昇トレンドにあります。
8. 財務諸表分析
売上、利益、キャッシュフローなどの指標:
- 売上高（過去12か月）: 551.9億円
- 利益率（過去12か月）: 3.08%
- ROE（過去12か月）: 11.50%
- ROA（過去12か月）: 6.43%
- キャッシュフロー（直近四半期）: 4.56億円
過去数年分の傾向:
- 売上高、利益ともに増加傾向にあり、特に2024年3月期第3四半期では売上高が前年同期比16.2%増と好調です。
9. 株主還元と配当方針
配当利回り（会社予想）: 1.04%
配当性向: 52.18%
自社株買いなどの株主還元策:
- 従業員等に信託を通じて自社の株式を交付する取引が2025年1月23日に終了しました。
10. 株価モメンタムと投資家関心
株価の直近の変動傾向:
- 直近10日間の株価は横ばいであり、1,156円から1,157円の間で推移しています。
株価への影響を与える要因:
- KDDIによるTOBが成立し、上場廃止予定であることが影響を与えています。
11. 総評
各分析結果のまとめ:
- 株式会社ラックはサイバーセキュリティ市場で高い評価を受けており、特にネットワークセキュリティ監視サービスで競争力を持ちます。経営陣はセキュリティ事業を中心とした既存事業の成長と新たな価値創造を目指す中期経営計画を掲げています。技術革新にも積極的に取り組んでおり、主力製品は市場ニーズに適応し続けています。株価は上昇トレンドにあり、投資家はKDDIによるTOBが成立したことに注目しています。
全体的な見解:
- サイバーセキュリティ市場の成長と技術革新に対応できる企業であり、中長期的な成長が見込める。ただし、KDDIによるTOBが成立しているため、上場廃止後は株価の動向に注意が必要。
企業情報
| 銘柄コード | 3857 |
| 企業名 | ラック |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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