1. 企業情報
和井田製作所は、特殊研削盤に特化した工作機械メーカーです。特に、刃先交換式チップやウエハー平面研削盤で高いシェアを誇ります。切削工具用と金型用の特殊研削盤が主力製品であり、海外同業との提携も積極的に行っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
特殊研削盤の分野で国内首位であり、高い技術力と競争優位性を持っています。工作機械業界は、グローバルな競争が激しいですが、同社はニッチ市場に特化することで、安定した収益基盤を築いています。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、新機種の開発、展示会への出展、海外展開の強化を戦略としています。中期経営計画の具体的な施策については、開示情報から詳細を把握できませんでした。
4. 事業モデルの持続可能性
特殊研削盤というニッチ市場に特化しているため、市場ニーズの変化への対応が重要です。技術革新による製品の高付加価値化や、アフターサービス体制の強化などが、収益モデルの持続可能性を高める上で重要となります。
5. 技術革新と主力製品
主力製品は、切削工具用と金型用の特殊研削盤です。ウエハー平面研削盤も強みとしています。技術開発においては、顧客ニーズに応じた製品開発や、高精度・高効率な研削技術の開発が重要です。
6. 株価の評価
- 株価: 878.0円（2025年3月3日終値）
- EPS（会社予想）: 58.80円
- PER（会社予想）: 14.93倍
- BPS（実績）: 1,587.81円
- PBR（実績）: 0.55倍
PERは業界平均（10.7倍）と比較してやや割高ですが、PBRは業界平均（0.7倍）を下回っており、割安感があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、850円～883円のレンジで推移しており、安定した動きを見せています。年初来高値（1,150円）からは下落していますが、年初来安値（800円）からは上昇傾向にあります。200日移動平均線（883.53円）近辺での推移となっており、今後の動向に注目が必要です。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2024年3月期は75.8億円、2025年3月期第3四半期累計では60.3億円と、前期比で微減となっています。
- 営業利益: 2024年3月期は11.6億円、2025年3月期第3四半期累計では7.2億円と、前期比で減少しています。
- 当期純利益: 2024年3月期は8.7億円、2025年3月期第3四半期累計では5.0億円と、前期比で減少しています。
- ROE（実績）: 7.46%
- ROA（過去12か月）: 4.94%
- 自己資本比率（実績）: 82.8%
売上高は安定していますが、利益面では、研究開発費や設備投資の増加が影響し、減少傾向にあります。自己資本比率は高く、財務体質は良好です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 3.64%
- 1株配当（会社予想）: 32.00円
- 配当性向: 40.85%
- Ex-Dividend Date: 2025年3月28日
安定的な配当を実施しており、配当利回りも魅力的です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、小幅な変動を繰り返しており、方向感に欠ける状況です。信用買残は多く、今後の株価上昇の重荷となる可能性があります。一方、信用売残はゼロであり、空売りの圧力は小さいです。
11. 総評
和井田製作所は、特殊研削盤というニッチ市場で高い技術力と競争優位性を持つ企業です。財務体質も良好で、安定的な配当も魅力です。しかし、足元の業績は、研究開発費や設備投資の増加により、利益面で減少傾向にあります。今後の株価は、工作機械業界の動向や、同社の新製品開発、海外展開の進捗、及び、世界情勢による影響を受ける可能性があります。投資判断にあたっては、これらの要素を総合的に考慮する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 6158 |
| 企業名 | 和井田製作所 |
| URL | http://www.waida.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 機械 – 機械 |
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