1. 企業情報
株式会社大庄は、大衆居酒屋「庄や」「やるき茶屋」などを中心とした飲食事業を展開する企業です。首都圏を中心に全国展開しており、卸売・ロジスティクス事業、不動産事業、フランチャイズ事業なども手掛けています。
2. 業界のポジションと市場シェア
大庄は、居酒屋業界において大手の一角を占めています。競争が激しい業界であり、多様な業態の競合が存在します。近年は、人流の回復やインバウンド需要の増加により、外食産業全体が回復基調にありますが、原材料価格や光熱費の上昇、人手不足といった課題も抱えています。
3. 経営戦略と重点分野
大庄は、飲食事業の強化、卸売・ロジスティクス事業の拡大、不動産事業やFC・VC事業の拡充などを戦略としています。具体的には、既存店の売上高増加、業態変更やリニューアル、SNSを活用したデジタルマーケティング、DX（デジタルトランスフォーメーション）による生産性向上などを推進しています。
4. 事業モデルの持続可能性
大庄の事業モデルは、外食需要に依存しており、景気や消費者の嗜好の変化に影響を受けやすいと考えられます。しかし、多様なブランド展開や、卸売・ロジスティクス事業との連携により、リスク分散を図っています。市場ニーズの変化への対応として、旬の食材や鮮魚を使ったメニューの提供、デジタルマーケティングの強化などが挙げられます。
5. 技術革新と主力製品
大庄は、技術革新に関する具体的な情報開示は少ないですが、DX推進による生産性向上を目指しています。主力製品・サービスは、大衆居酒屋「庄や」「やるき茶屋」などの飲食サービス、食材卸売、不動産賃貸などです。
6. 株価の評価
- 株価: 1,069.0円
- PER（会社予想）: 20.89倍 (業界平均: 21.1倍)
- PBR（実績）: 2.17倍 (業界平均: 1.3倍)
- EPS（会社予想）: 51.18円
- BPS（実績）: 493.39円
PERは業界平均とほぼ同水準ですが、PBRは業界平均を上回っています。EPSとBPSを考慮すると、割安感は限定的です。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、1,035円から1,093円の範囲で変動しており、50日移動平均線（1088.24円）と200日移動平均線（1115.41円）を下回っています。年初来高値（1,375円）からは大きく下落しており、安値圏にあると判断できます。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去12ヶ月で505億8600万円（前年同期比11.1%増）
- 営業利益: 過去12ヶ月で10億1000万円（前年同期は4億5300万円の損失）
- 当期純利益: 過去12ヶ月で13億3300万円（前年同期は7億6900万円の損失）
- ROE（実績）: 13.41%
- ROA（過去12か月）: 1.95%
- 自己資本比率（実績）: 31.0%
売上高は増加傾向にあり、営業利益、当期純利益も改善しています。ROEは13.41%とまずまずの水準ですが、自己資本比率は31.0%とやや低めです。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 1.31%
- 1株配当（会社予想）: 14.00円
- 配当性向: 22.03%
- 自社株買い: 情報なし
配当利回りは、1.31%と低めです。配当性向は22.03%と、まだ余裕があります。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、やや下落傾向にあります。信用取引の状況を見ると、買い残が減少し、売り残も減少しており、需給はやや均衡していると考えられます。
11. 総評
大庄は、外食業界大手として、事業の多角化を進めています。業績は回復傾向にあり、財務状況も改善していますが、PBRは割高感があります。株価は年初来高値から下落しており、テクニカル的には安値圏に位置しています。配当利回りは低く、株主還元は限定的です。今後の業績動向、特に原材料価格や人件費の高騰に対する対応、及び中期経営計画の進捗に注目していく必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 9979 |
| 企業名 | 大庄 |
| URL | http://www.daisyo.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 小売 – 小売業 |
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