1. 企業情報
日本トムソンは、IKOブランドでニードルベアリング、リニアモーション製品、精密位置決めテーブル、機械部品を製造・販売する企業です。主な製品は、半導体製造装置や産業用ロボットなどに使用される直動案内機器と、二輪車用ニードル軸受です。少量多品種生産が特徴で、複合メカトロ製品も手掛けています。
2. 業界のポジションと市場シェア
日本トムソンは、ニードルベアリングとリニアモーション製品の分野で一定のシェアを有していると考えられます。競合他社との競争は激しく、特に半導体製造装置向けなどの高精度・高付加価値製品においては、技術力と顧客ニーズへの対応力が重要となります。
3. 経営戦略と重点分野
日本トムソンは、「IKO中期経営計画2026 Connect for Growth」を掲げ、収益力と効率性の向上を目指しています。具体的には、「強い領域」への集中とグローバル体制の再構築を重点分野としています。
4. 事業モデルの持続可能性
日本トムソンの事業モデルは、半導体製造装置や産業用ロボットなど、成長が見込まれる分野への製品供給が中心であり、市場ニーズの変化への対応力も重要です。ただし、景気変動の影響を受けやすく、特に設備投資の動向に左右される可能性があります。
5. 技術革新と主力製品
日本トムソンは、IKOブランドで高品質な製品を提供しており、技術開発にも注力していると考えられます。主力製品は、半導体製造装置向け直動案内機器と二輪車用ニードル軸受です。
6. 株価の評価
- 株価: 516.0円 (2025年3月4日終値)
- PER（会社予想）: 39.54倍 (業界平均: 16.6倍)
- PBR（実績）: 0.47倍 (業界平均: 1.4倍)
- EPS（会社予想）: 13.05円
- BPS（実績）: 1,102.49円
PERは業界平均よりも高く、割高感があります。PBRは低く、割安感があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2025年2月18日以降は470円台から520円台で推移しており、200日移動平均線（524.02円）近辺での取引となっています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2024年3月期は682億6000万円でしたが、2025年3月期は550億4800万円と減少しています。
- 営業利益: 2024年3月期は94億6000万円でしたが、2025年3月期は31億6400万円と大幅に減少しています。
- 純利益: 2024年3月期は74億6900万円でしたが、2025年3月期は26億7400万円と大幅に減少しています。
- ROE: 2024年3月期は3.62%
- 自己資本比率: 63.8%
売上高、利益ともに減少傾向にあり、収益性が悪化しています。自己資本比率は高く、財務体質は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 3.68%
- 1株配当（会社予想）: 19.00円
- 配当性向: 131.58%
配当利回りは比較的高い水準ですが、配当性向も高くなっています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、業績悪化を受けて下落傾向にあります。信用取引の状況を見ると、買い残は減少し、売り残は増加しており、弱気な見方が強まっている可能性があります。
11. 総評
日本トムソンは、半導体製造装置向けなどの成長分野に製品を提供していますが、足元の業績は悪化しており、株価も低迷しています。PERは割高、PBRは割安と評価が分かれています。今後の業績回復と、中期経営計画の進捗に注目する必要があります。投資判断は、これらの要素を総合的に考慮し、ご自身の投資判断に基づいて行ってください。
企業情報
| 銘柄コード | 6480 |
| 企業名 | 日本トムソン |
| URL | http://www.ikont.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 機械 – 機械 |
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