1. 企業情報

リコーは、複合機やプリンターなどの事務機で国内首位級の企業です。デジタルサービス、デジタルプロダクツ、グラフィックコミュニケーションズ、インダストリアルソリューションズなど幅広い事業を展開しています。近年は、ITサービスやデジタルソリューションの提供にも注力しており、大規模な構造改革を終え、成長戦略を推進しています。

2. 業界のポジションと市場シェア

リコーは、事務機業界において国内トップクラスのシェアを誇ります。複合機やプリンターなどの主力製品に加え、ITサービス分野への積極的な展開により、競争優位性を確立しようとしています。

課題:

  • グローバル競争の激化
  • 市場ニーズの変化への対応
  • デジタル化の加速

3. 経営戦略と重点分野

リコーは、第21次中期経営戦略を推進しており、デジタルサービスへの注力を強化しています。

重点分野:

  • デジタルサービスの拡大
  • ITソリューションの提供
  • グラフィックコミュニケーションズ事業の強化
  • インダストリアルソリューションズ事業の成長

4. 事業モデルの持続可能性

リコーの事業モデルは、複合機などのハードウェア販売に加え、消耗品や保守サービスなどの継続的な収益に支えられています。デジタルサービスへのシフトを進めることで、市場ニーズの変化に対応し、持続的な成長を目指しています。

市場ニーズの変化への適応力:

  • クラウドサービスやテレワークの普及に対応したソリューションの提供
  • セキュリティ対策の強化
  • 環境負荷低減への取り組み

5. 技術革新と主力製品

リコーは、複合機やプリンターなどの分野で高い技術力を有しています。

主力製品:

  • 複合機
  • プリンター
  • デジタルサービス(ドキュメントソリューション、ITサービス)
  • グラフィックコミュニケーションズ製品

6. 株価の評価

  • 株価: 1,613.0円(2025年3月5日終値)
  • PER(会社予想): 21.42倍 (業界平均: 24.2倍)
  • PBR(実績): 0.90倍 (業界平均: 1.6倍)
  • EPS(会社予想): 75.36円
  • BPS(実績): 1,796.58円

PER、PBRともに業界平均を下回っており、割安感があると言えるかもしれません。ただし、PERは会社予想に基づいているため、今後の業績動向に注意が必要です。

7. テクニカル分析

直近10日間の株価は、1,500円台から1,600円台で推移しており、2月28日には1,624.5円の高値を付けています。50日移動平均線は1,704.86円、200日移動平均線は1,565.96円です。

8. 財務諸表分析

指標 2024年3月期 2023年3月期 2022年3月期 2021年3月期
売上高(百万円) 2,348,987 2,134,180 1,758,587 1,682,069
営業利益(百万円) 62,642 78,810 40,358 -41,642
経常利益(百万円) 68,202 81,308 44,388 -41,028
当期純利益(百万円) 44,176 54,367 30,371 -32,730
ROE 4.48% -9.5% 4.4% -4.5%
ROA 1.57% 2.9% 1.7% -1.9%
  • 売上高は増加傾向にあります。
  • 2021年3月期には赤字でしたが、その後は黒字に転換し、利益も改善傾向にあります。
  • ROE、ROAは改善傾向ですが、まだ低い水準です。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(会社予想): 2.35%
  • 1株配当(会社予想): 38.00円
  • 配当性向: 52.86%
  • 株主優待: なし

リコーは、安定的な配当を重視する方針を示しています。

10. 株価モメンタムと投資家関心

直近の株価は、上昇傾向にあります。信用買い残は減少、信用売り残は増加しており、売りと買いのバランスが拮抗している状況です。

株価への影響を与える要因:

  • 世界経済の動向
  • 為替レートの変動(円安はプラス要因)
  • デジタルサービス事業の成長
  • 競合他社の動向

11. 総評

リコーは、事務機業界で高い競争力を持つ企業であり、デジタルサービスへのシフトを進めることで、今後の成長が期待できます。財務状況も改善傾向にあり、株価は割安感があります。ただし、世界経済の動向や競合との競争激化など、注意すべき点もあります。投資判断にあたっては、これらの点を総合的に考慮する必要があります。


企業情報

銘柄コード 7752
企業名 リコー
URL http://www.ricoh.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 電機・精密 – 電気機器

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