1. 企業情報

鳥羽洋行は、機械工具専門商社として、空圧・制御・計測機器、FA機器、産業用ロボットなどを中心に、幅広い産業用機械・設備の販売と設置を手掛けています。主な顧客は製造業であり、国内外の多様なニーズに対応しています。特に産業用ロボット分野に注力しており、自動化・省力化ニーズの高まりを背景に事業を拡大しています。

2. 業界のポジションと市場シェア

鳥羽洋行は、機械工具の専門商社として、幅広い製品ラインナップと顧客への技術サポートを強みとしています。業界内での正確な市場シェアは不明ですが、産業用ロボットやFA機器の分野での成長が期待されます。競合他社との差別化として、専門知識と顧客ニーズへの対応力が重要となります。

3. 経営戦略と重点分野

経営陣は、半導体関連の設備投資回復、自動車・車載部品関連の需要増加、中国市場での産業用ロボット販売の好調などを背景に、増収増益を目指しています。中期経営計画の詳細は開示されていませんが、産業用ロボット分野への注力、顧客ニーズへの的確な対応、海外市場の開拓などが重点分野と考えられます。

4. 事業モデルの持続可能性

鳥羽洋行の事業モデルは、製造業の設備投資動向に大きく影響を受けます。半導体、自動車、電子部品などの分野における設備投資の活発化が、業績を左右する重要な要素となります。市場ニーズの変化への適応としては、自動化・省力化ニーズに対応した製品・サービスの拡充、顧客への技術サポートの強化などが重要です。

5. 技術革新と主力製品

鳥羽洋行は、空圧機器、制御機器、FA機器、産業用ロボットなど、幅広い製品を取り扱っています。技術革新としては、顧客の生産性向上に貢献する最新の製品・技術の導入、自社技術と他社製品を組み合わせたソリューション提案などが考えられます。収益を牽引しているのは、産業用ロボットであり、自動化ニーズの高まりを背景に、今後も成長が期待されます。

6. 株価の評価

  • 株価: 3,560円
  • PER(会社予想): 10.22倍(業界平均PER:10.1)
  • PBR(実績): 0.69倍(業界平均PBR:0.7)
  • EPS(会社予想): 348.17円
  • BPS(実績): 5,196.44円

PER、PBRともに業界平均と同水準であり、割安感はありません。EPS、BPSから、企業の収益性と資産価値が評価できます。

7. テクニカル分析

直近10日間の株価推移を見ると、2025年2月18日には3,575円の高値を付けており、足元では高値圏での推移となっています。50日移動平均線(3,567.90円)と200日移動平均線(3,544.38円)もほぼ同水準であり、方向感は判断しづらい状況です。

8. 財務諸表分析

  • 売上高: 過去12ヶ月で28,449百万円(2024年3月期は29,482百万円)と、前期比で減少しています。
  • 営業利益: 過去12ヶ月で1,515百万円(2024年3月期は1,694百万円)と、前期比で減少しています。
  • 当期純利益: 過去12ヶ月で1,074百万円(2024年3月期は1,429百万円)と、前期比で減少しています。
  • ROE(実績): 5.33%
  • ROA(過去12か月): 2.95%
  • 自己資本比率(実績): 63.7%

売上高、利益ともに減少傾向にあり、収益性の改善が課題です。自己資本比率は高く、財務体質は安定しています。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(会社予想): 3.65%
  • 1株配当(会社予想): 130.00円
  • 配当性向: 46.59%
  • Ex-Dividend Date: 2025年3月28日

配当利回りは、現時点では魅力的な水準です。配当性向は、企業の利益水準に対して妥当な範囲内です。

10. 株価モメンタムと投資家関心

直近の株価は、高値圏で推移しており、上昇トレンドが続いています。信用買い残は増加傾向にあり、投資家の関心も高いと考えられます。株価への影響を与える要因としては、半導体関連の設備投資動向、自動車・車載部品関連の需要、産業用ロボット市場の成長などが挙げられます。

11. 総評

鳥羽洋行は、機械工具専門商社として、安定した事業基盤を持っています。産業用ロボット分野への注力は、今後の成長ドライバーとなる可能性があります。しかし、足元の業績は売上高、利益ともに減少傾向にあり、収益性の改善が課題です。株価は高値圏で推移しており、今後の業績動向や市場環境の変化を注視する必要があります。投資判断にあたっては、財務状況、株価水準、業界動向などを総合的に考慮し、リスク許容度に応じた慎重な判断が求められます。


企業情報

銘柄コード 7472
企業名 鳥羽洋行
URL http://www.toba.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 商社・卸売 – 卸売業

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