1. 企業情報
山洋電気は、冷却システム（冷却ファン）、電源システム（無停電電源装置など）、サーボシステム（サーボモーターなど）を主軸とする電気機器メーカーです。通信機器、工作機械、半導体製造装置など、幅広い分野向けに製品を提供しています。特に、NTT向けの電源供給で実績があり、小型・精密サーボモーターや冷却ファンに強みを持っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
山洋電気は、電気機器業界において、特定のニッチ市場で高い競争力を持っています。特に、冷却ファンやサーボモーターの分野では、高い技術力と製品品質を強みとし、安定した顧客基盤を築いています。
競争優位性:
- 高い技術力と製品品質
- 多様な製品ラインナップ
- 安定した顧客基盤
課題:
- 主要顧客である通信機器、ロボット、半導体製造装置などの市場動向に業績が左右されやすい。
- グローバル競争の激化
3. 経営戦略と重点分野
山洋電気は、社内カンパニー制を導入し、各カンパニーの業績に基づいた経営資源の配分、意思決定、評価を行っています。
重点分野:
- 高性能サーバやその周辺機器向けの冷却ファン「San Ace」
- 消防・高速道路関連の社会インフラ向け、および防衛システム向けの電源装置「SANUPS」
- 電子部品実装機向けのサーボモーター「SANMOTION」
4. 事業モデルの持続可能性
山洋電気の事業モデルは、技術革新と顧客ニーズへの対応によって支えられています。
収益モデル:
- 製品販売による収益
- 顧客ニーズに合わせたカスタマイズ対応
- 安定したメンテナンス需要
市場ニーズの変化への適応力:
- 新製品開発への投資
- 顧客との連携強化
- 市場の変化への迅速な対応
5. 技術革新と主力製品
山洋電気は、冷却技術、電源技術、サーボ技術において、高い技術力を有しています。
主力製品:
- 冷却ファン「San Ace」
- 無停電電源装置「SANUPS」
- サーボモーター「SANMOTION」
6. 株価の評価
- 株価: 8,700円
- PER（会社予想）: 22.07倍
- PBR（実績）: 0.91倍
- EPS（会社予想）: 394.17円
- BPS（実績）: 9,538.16円
PERは業界平均（24.2倍）を下回っており、割安感があります。PBRは1倍を下回っており、割安と判断できます。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、8,540円から9,420円の間で変動しており、足元では8,700円となっています。年初来高値9,750円からは下落していますが、200日移動平均線（8,342.25円）を上回っており、底堅さも見られます。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2024年3月期は120,803百万円、2025年3月期は112,904百万円（過去12ヶ月）と減少傾向にあります。
- 営業利益: 2024年3月期は13,422百万円、2025年3月期は11,811百万円（過去12ヶ月）と減少傾向にあります。
- 当期純利益: 2024年3月期は11,410百万円、2025年3月期は10,477百万円（過去12ヶ月）と減少傾向にあります。
- ROE: 10.29%
- 自己資本比率: 73.2%
売上高、利益ともに減少傾向にありますが、自己資本比率は高く、財務体質は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 1.72%
- 1株配当（会社予想）: 150.00円
- 配当性向: 26.90%
安定した配当を実施しており、株主還元にも積極的な姿勢を示しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、やや下落傾向にあります。信用買い残は増加、信用売り残は減少しており、売り方の買い戻しが進んでいる可能性があります。
株価への影響を与える要因:
- 世界経済の動向（特に、通信機器、ロボット、半導体製造装置などの市場）
- 新製品の開発状況
- 競合他社の動向
11. 総評
山洋電気は、冷却システム、電源システム、サーボシステムを主力とする電気機器メーカーであり、高い技術力と安定した顧客基盤を有しています。財務体質は良好で、株主還元にも積極的です。
ただし、足元の業績は世界経済の減速の影響を受けており、売上高、利益ともに減少傾向にあります。今後の株価は、世界経済の動向、新製品の開発状況、競合他社の動向など、様々な要因に左右されると考えられます。
* PER、PBRは割安感がある。
* 財務体質は安定している。
* 業績の回復が今後の注目点。
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企業情報
| 銘柄コード | 6516 |
| 企業名 | 山洋電気 |
| URL | http://www.sanyodenki.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
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