1. 企業情報

エヌアイシ・オートテックは、アルミ製生産設備部材メーカーです。主力製品は、アルミフレームシステム「アルファフレーム」、クリーンブース関連製品、FA(Factory Automation)装置です。富山県を基盤とし、FA部門と商事部門を展開しています。FA部門では、アルミフレームを活用した多様なビジネスシーンに対応する製品を提供し、半導体、電子部品、医薬品、食品工場向けのFA装置も手掛けています。商事部門では、生産設備関連の消耗品や治工具などを取り扱っています。

2. 業界のポジションと市場シェア

エヌアイシ・オートテックは、アルミフレームシステムとFA装置の分野で一定の地位を確立していると考えられます。特に「アルファフレーム」は同社の強みであり、多様な顧客ニーズに対応できる点が競争優位性です。

課題:

  • 景気変動や設備投資の動向に業績が左右されやすい。
  • 競合他社との価格競争や技術革新への対応が必要。

3. 経営戦略と重点分野

経営戦略:

  • FA部門の強化:アルミフレームシステムの販売拡大、半導体関連企業への営業強化、車載電池関連の生産設備への対応。
  • 商事部門の安定化:主要顧客の生産状況に合わせた受注活動、海外向け設備投資への対応。

中期経営計画:

  • 詳細な中期経営計画は開示されていませんが、決算短信からは、FA部門の強化と、商事部門における顧客ニーズへの対応が重点分野であることが伺えます。

4. 事業モデルの持続可能性

収益モデル:

  • アルミフレームシステム、FA装置、商事部門における製品販売が主な収益源です。
  • 顧客の設備投資需要に左右されるため、景気変動の影響を受けやすい側面があります。

市場ニーズへの適応力:

  • 半導体関連企業や車載電池関連への注力は、成長分野への対応として評価できます。
  • FA化、省人化ニーズの高まりに対応できる製品ラインナップが重要です。

5. 技術革新と主力製品

技術開発の動向と独自性:

  • アルミフレームシステム「アルファフレーム」は、同社の独自技術を活かした製品です。
  • FA装置においても、顧客のニーズに合わせたカスタマイズ能力が重要となります。

収益を牽引している製品やサービス:

  • FA部門の「アルファフレームシステム」とFA装置が収益を牽引しています。
  • 半導体関連や車載電池関連の需要を取り込めるかが、今後の成長の鍵となります。

6. 株価の評価

  • 株価: 798円
  • EPS(会社予想): 25.69円
  • PER(会社予想): 31.06倍
  • BPS(実績): 613.74円
  • PBR(実績): 1.30倍

比較:

  • PERは、業界平均(14.5倍)と比較して割高な水準です。
  • PBRは、業界平均(0.7倍)と比較して割高な水準です。
  • 今期の業績予想を基にしたPERは、割高感があります。

7. テクニカル分析

  • 直近10日間の株価推移: 株価は790円台で推移しており、200日移動平均線(752.17円)を上回っています。
  • 年初来高値: 872円
  • 年初来安値: 662円
  • 50日移動平均: 795円
  • 200日移動平均: 752.17円

判断:

  • 直近の株価は、年初来高値には及ばないものの、50日移動平均線を上回っており、底堅い動きを見せています。

8. 財務諸表分析

売上高:

  • 2024年3月期は66.6億円、2025年3月期は48.5億円と減少傾向にあります。

利益:

  • 2024年3月期は営業損失1.4億円、当期純損失1.6億円と赤字でした。
  • 2025年3月期第3四半期累計では、営業利益1.3億円、当期純利益1.4億円と黒字転換しています。

キャッシュフロー:

  • 詳細なキャッシュフローの情報は不足しています。

ROE:

  • 2024年3月期は-15.52%とマイナスです。

ROA:

  • 過去12か月で-2.30%とマイナスです。

分析:

  • 売上高の減少と、2024年3月期の赤字決算は、業績の悪化を示しています。
  • 2025年3月期第3四半期累計での黒字転換は、業績回復の兆しと見ることができます。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(会社予想): 5.14%
  • 1株配当(会社予想): 41.00円
  • 配当性向: 484.06%

分析:

  • 高い配当利回りは魅力的ですが、配当性向が高く、業績によっては減配のリスクもあります。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 株価の変動: 直近10日間の株価は、780円~798円の範囲で推移しており、大きな変動は見られません。
  • 出来高: 1日あたり900株と、出来高は少ないです。
  • 信用取引: 信用買残は多く、信用倍率は102.57倍と高い水準です。

株価への影響を与える要因:

  • FA関連の設備投資動向
  • 半導体関連、車載電池関連の需要
  • 原材料価格の変動
  • 為替相場の変動

11. 総評

エヌアイシ・オートテックは、アルミフレームシステムとFA装置を主力とする企業です。直近の業績は、2024年3月期に赤字となりましたが、2025年3月期第3四半期累計では黒字に転換し、回復の兆しを見せています。
* PERは割高であり、今後の業績推移を注視する必要があります。
* 高い配当利回りは魅力的ですが、配当性向が高く、業績によっては減配のリスクがあることに注意が必要です。
* FA関連の設備投資動向、半導体関連、車載電池関連の需要、原材料価格の変動、為替相場の変動など、株価に影響を与える要因を注視し、慎重な投資判断が求められます。
* 信用買い残が多い点は、株価の変動リスクを高める可能性があります。


企業情報

銘柄コード 5742
企業名 エヌアイシ・オートテック
URL http://www.nic-inc.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 鉄鋼・非鉄 – 非鉄金属

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