1. 企業情報
フジックスは、1921年創業の縫い糸専業大手企業です。家庭用縫い糸で国内約7割の圧倒的なシェアを誇り、工業用縫い糸にも強みを持っています。手芸用品の販売も行っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
縫い糸業界において、フジックスは国内最大手であり、特に家庭用縫い糸市場での高いシェアが強みです。競合他社との差別化として、高品質な製品と多様なラインナップが挙げられます。
課題: アパレル・ファッション業界の低迷や、原材料価格の高騰といった外部環境の変化への対応が求められます。
3. 経営戦略と重点分野
経営ビジョン: 詳細な経営ビジョンは公開情報から特定できませんでした。
中期経営計画: 2025年3月期の第3四半期決算短信によると、アパレル・ファッション業界の低迷に対応するため、家庭用縫い糸や車両内装用縫い糸の販売を強化しています。また、中国やタイでの事業展開も行っています。
4. 事業モデルの持続可能性
収益モデル: 家庭用縫い糸、工業用縫い糸、手芸用品の販売が収益の柱です。
市場ニーズの変化への適応力: アパレル業界の低迷や、消費者の嗜好の変化に対応するため、新製品の開発や販売チャネルの多様化が重要となります。
5. 技術革新と主力製品
技術開発の動向: 詳細な技術開発に関する情報は公開されていません。
主力製品: 家庭用縫い糸、工業用縫い糸が主力製品です。
6. 株価の評価
EPS（会社予想）: -61.75円
BPS（実績）: 6,813.12円
PER（会社予想）: — (EPSがマイナスのため算出不可)
PBR（実績）: 0.23倍 (業界平均0.5倍を下回る)
現在の株価1,580円は、PBRから見て割安と判断できます。ただし、EPSがマイナスであるため、今後の業績改善が株価評価の重要なポイントとなります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は1,555円～1,591円の範囲で推移しており、200日移動平均線（1,562.80円）近辺で推移しています。年初来安値（1,421円）からは上昇していますが、年初来高値（1,895円）にはまだ届いていません。
8. 財務諸表分析
| 指標 | 過去12か月 | 3/31/2024 | 3/31/2023 | 3/31/2022 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 5,805百万円 | 5,805百万円 | 5,742百万円 | 5,417百万円 |
| 営業利益 | -115百万円 | -115百万円 | -208百万円 | -212百万円 |
| 経常利益 | 73百万円 | 73百万円 | -254百万円 | -169百万円 |
| 当期純利益 | 90百万円 | 90百万円 | -189百万円 | -164百万円 |
| ROE | -1.00% | |||
| ROA | -1.10% | |||
| 自己資本比率 | 80.2% |
分析:
- 売上高は、2024年3月期は微増していますが、2025年3月期第3四半期では減少しています。
- 営業利益、経常利益、当期純利益は、2023年3月期、2022年3月期は赤字でしたが、2024年3月期は黒字に転換しました。しかし、2025年3月期第3四半期では再び赤字となっています。
- ROE、ROAはマイナスであり、収益性の改善が課題です。
- 自己資本比率は高く、財務基盤は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
配当利回り（会社予想）: 3.16%
1株配当（会社予想）: 50.00円
配当性向: 76.34%
フジックスは配当を実施しており、配当利回りも一定の水準を維持しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
株価の変動傾向: 直近10日間の株価は小幅な変動にとどまっています。
株価への影響要因: アパレル業界の動向、原材料価格の変動、円安の影響などが考えられます。
信用取引: 信用買残は増加傾向にあり、信用倍率は0.00倍と低い水準です。
11. 総評
フジックスは、縫い糸業界のリーディングカンパニーであり、高いシェアと安定した財務基盤を有しています。しかし、アパレル業界の低迷や、業績の変動、EPSのマイナス、ROE・ROAの低さなど、課題も多く存在します。PBRは割安な水準ですが、今後の業績改善と、経営戦略の進捗に注目する必要があります。投資判断にあたっては、これらの点を総合的に考慮し、リスク許容度を踏まえた上で慎重に行うことが重要です。
企業情報
| 銘柄コード | 3600 |
| 企業名 | フジックス |
| URL | http://www.fjx.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 繊維製品 |
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